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西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

「面かぶり」-1

2012-09-17 | 笑えます、長唄(c)y.saionji
この曲の正式名は「童子戯面被」(わらんべのたわむれのめんかぶり)という。
源家の宝刀、鬼切丸の精霊が童子の化けて、色々な面を被って踊るという趣向。


「とかく子供たちゃ いたいけがよいものじゃ
 はららと ほろろ
 ほろろと はらら
 目だにさむれば 
 手うち 手うちあはは
 かぶり かぶり しほのめ(愛嬌のある目つき)
 頭てんてんよ」


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tea break・海中百景
photo by 和尚

「座頭」-7

2012-09-11 | 笑えます、長唄(c)y.saionji

しつこくからみつく犬に腹を立てていた座頭だが、
気を変えて、犬を相手のくどきとなる。

「エゝ 又してもしつっこい
 杖振り上げて打たんとせしが
 イヤイヤ イヤイヤ 
 これではゆかぬと気をかえて

 これワンじゃいな(なんじゃいな)そのように
 我をじらすが楽しみか
 主の毛色の善悪は
 目には見えねど初雪や

 その足跡の梅が香の
 洩れて慕うも嬉しさの
 声で聞き知る私じゃものを
 あんまり苛いと寄り添えば
 ざれて添い寝の徒枕」

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tea break・海中百景
photo by 和尚

「座頭」-6

2012-09-09 | 笑えます、長唄(c)y.saionji

「ひょっくり ひょっくり
 ひょっくり  ひょっと
 罷り出でたる やつがれは
 色にも 恋にも 目なし鳥

 どっこいそうは虎の皮
 褌の端は取られても
 恋の手取りの 優法師
 なかなかその手じゃまいるまい
 悪洒落な

 梅に鶯 垣に朝顔
 あんま 鍼
 まんざら退いた仲(無関係)じゃない」


●ひょこひょこと登場しました、それがしは、
 色にも恋にも目がないのさ。
 犬めが虎皮褌の先をくわえて引っ張りやがるが、
 こちとら、恋の巧みの風雅者。
 そんな引く手にゃのらないさ。

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tea break・海中百景
photo by 和尚

 

「座頭」-5

2012-09-07 | 笑えます、長唄(c)y.saionji
三味線法師

この曲は、「瓢箪鯰」の項で説明した大津絵の「座頭」、
【三味線を背負った座頭が褌のはしを犬にくわえられ、
杖を振り上げて追い払おうとしている図】、
からイメージを膨らませ舞踊曲に仕立てたもの。

大津絵ができたのは江戸初期(寛永年間・1624~44)で、
遊女かぶきが風紀上の理由で禁止された頃だ。

しかし、遊女かきが新奇な三味線を舞台でかき鳴らしてくれたおかげで、
三味線という楽器が巷に流行し、
琵琶を三味線に乗り換える法師が続出したのだから、
この大津絵の「座頭」は、当時最新の図柄だったといえる。

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tea break・海中百景
photo by 和尚