スパイラルゼロ-5 ピクニック-2
「わ!お礼参りに来た!」
「誰がキサマにお礼なんかするか!。」それはアギュだった。つい今し方も、モニターで眠っているはずの御方。
こうして見ると、現実よりもリアルに見えるから不思議。普通の人みたいだ。青い光もあまり気にならない。
「オレはキサマなんか、裸にして学校から放り出してやるって言ったんだ!」
アギュは唇を噛んで、僕を睨み付けた。「でも、この二人が。」
おや、臨界進化さまはユウリ達が怖いらしい。
「怖いだと!オレが怖いわけあるか!」アギュはふくれて、プイッと横を向く。
認めたくない?うん、それもわかる。シドラ・シデンの破壊力はゴリラ並みだもんな。
「ゴリラと競ったことはないが確かに我は強い。」即座にシデンが言う。
「しかし、ほんとに怖いのはユウリだ。」
「あら、人聞きが悪い。」楽しそうに、ユウリ。
「あたしはそんなことしたら、二度と寝る前に唄ってあげないって言っただけ。
なんなら、あたしも放り出してって。」
「できれば、我も頼む。」
あの~、このぶっちゃけ状態、いい加減どうにかならないの?ユウリが僕の前に空気のように回り込む。
「とにかく普通に口にするように考えて。意識して、表層意識とをはっきり分けて考えるのよ。
無意識までは読まれないんだから。」
「余計なことは考えるなってことか。」僕は努力を始めた。難しいし、ややこしい。
ところで。
「オマエらは勝手な事ばかり言って!そんなことオレにできるわけないだろ!」
アギュがヒステリーを起こしていた。
「コイツだけなら!」と、僕を指さす。
「コイツはオレは追い出せる。オレがどうしても嫌だと言えばね。でも、オマエらは、もう違う!
オレの回りにオマエらを置いてるのはオレじゃない!ヤツラなんだから!」
アギュの喉が甲高く鳴る。
「オレが追い出したくたって、オレにできるもんか!」
「彼奴等って?。」悲鳴のようなアギュの声に僕は割り込んだ。ケフェウスとか?
ユウリは黙って上を指さした。そこには天井が、いやそこを突き抜けてそこには第23番惑星の姿が大きく迫った。
オリオン連邦、最高機密研究所。
繰り返された、イリト・ヴェガと言う名前。所長だと言う、そいつが黒幕?
「そうだ!」アギュが手を打った。
「又、皆でオレとあそこへ行こう!ガンダルファにも現実を見せてやれ!」
アギュは鼻を膨らませると僕を再び指さす。「キサマも脅えるがいい!」
なんだ?この三流ドラマ?やっぱりお礼参りなんと違う?
「そうね。ガンダルファにもピクニック仲間になってもらうんだもんね。」
ユウリがいたずらっ子のような笑顔を向ける。唇に寄せる人さし指が激かわいいー。
ピクニック?んにょにょ? 急に肩のドラコが目を輝かす。
「オレは反対だ!言ったろ?コイツを起こすのは一度だけ!死ぬほど脅えさせるだけだって!」
アギュは手を振り回す。光の残像が残るところが臨界ぽい。
「スクールには自由がない。」シドラはアギュを無視。「監視されてないのは夢ぐらいだ。」
「アギュのおかげで、気が付いたの。あたし達、こんなことができるって。」
「たいしたことないさ、オレには。500年、寝てる間にずっとしていた。」
最高進化様は立ち直りも切り替えも早い。一転して満面の笑み。得意そうなアギュ。へぇ、じゃあ、世間的にヒッキーしてる間、あんたずっと遊び歩いてたわけか?
意識だけでって言うか、その、えーと心っての?
「生物の発する電気的磁場流体とか?簡単に言うと、原始惑星では魂とか言うのよ。」
ユウリがコロコロと笑う。
シデンもうなづく。
「能力があれば、他にもここに来れる生徒がいるかもしれんのだが。」
「ダメだよ。ここはオレが許した奴しか入れない。絶対、オレつぶすからな!」
小さなお山の大将希望者が僕を睨み付ける。
「キサマもだ!お山に登りたいなら、オレに絶対、服従!」
「じゃあ、とにかく、理屈は抜きで考えるようにするよ。これは夢じゃないと。」
「共有意識の場っていうのかしら。現実とは少しだけずれているの。」
ユウリは小首をかしげた。
「タンスの隅にあるゴミのような次元だ。」シドラはもともこもない。
「だからこそ、オレらは見つからない!。はい、ミンナ、オレを注目!」
お進化様ががじれる。
「じゃあ、行く?」ユウリはシドラとアギュを振り返る。
「ガンダルファも一緒に行くわよね?」はい。答え、早え~!
僕は寝ている僕を見降ろした。眉間にしわを寄せて歯をくいしばっている。うなされてるよ、これ絶対。
自分の寝顔なんて見るもんじゃないぞ、ほんと。
「間抜けな寝顔だ。」うるせぇ、アギュ。
「キサマが離れたらそのまま、死ぬかもな。」まじ?
「アギュも意地悪言わないの!ほら、みんな仲良く!」ユウリは軽くアギュを睨んだ。その顔はまるで我が子を叱る母のよう。心なしか甘い笑顔。アギュは目をそらす。まさか、照れてるんじゃないよな?。僕は穏やかではない。
「フーン」そんな僕をシドラ・シデンが、バラキがじっと見ている。焦る。
アギュは僕に舌を出した。
「うらやましいか?バ~カ!」
ユウリはそんなアギュは構わず、僕を励ます。
「大丈夫よ。あたし達、何度も遊びに行ってるから。」
うーん。それは確かに、とてもはげまされるよ、だけど。
なんかこの二人、ほんとに、ほんとにあやしくないの?。
僕、心配。
と、思いがけず、その場を救ったのはドラコだった。
いょーにょ!いきょ~のにゃ~
すぐ耳の側で声がしたからビックリする。なんか、シッポをふる錦鯉。
「しゃ、しゃべった!」
「どうやら。しゃべったようだな。」シドラが笑った。
「わ!お礼参りに来た!」
「誰がキサマにお礼なんかするか!。」それはアギュだった。つい今し方も、モニターで眠っているはずの御方。
こうして見ると、現実よりもリアルに見えるから不思議。普通の人みたいだ。青い光もあまり気にならない。
「オレはキサマなんか、裸にして学校から放り出してやるって言ったんだ!」
アギュは唇を噛んで、僕を睨み付けた。「でも、この二人が。」
おや、臨界進化さまはユウリ達が怖いらしい。
「怖いだと!オレが怖いわけあるか!」アギュはふくれて、プイッと横を向く。
認めたくない?うん、それもわかる。シドラ・シデンの破壊力はゴリラ並みだもんな。
「ゴリラと競ったことはないが確かに我は強い。」即座にシデンが言う。
「しかし、ほんとに怖いのはユウリだ。」
「あら、人聞きが悪い。」楽しそうに、ユウリ。
「あたしはそんなことしたら、二度と寝る前に唄ってあげないって言っただけ。
なんなら、あたしも放り出してって。」
「できれば、我も頼む。」
あの~、このぶっちゃけ状態、いい加減どうにかならないの?ユウリが僕の前に空気のように回り込む。
「とにかく普通に口にするように考えて。意識して、表層意識とをはっきり分けて考えるのよ。
無意識までは読まれないんだから。」
「余計なことは考えるなってことか。」僕は努力を始めた。難しいし、ややこしい。
ところで。
「オマエらは勝手な事ばかり言って!そんなことオレにできるわけないだろ!」
アギュがヒステリーを起こしていた。
「コイツだけなら!」と、僕を指さす。
「コイツはオレは追い出せる。オレがどうしても嫌だと言えばね。でも、オマエらは、もう違う!
オレの回りにオマエらを置いてるのはオレじゃない!ヤツラなんだから!」
アギュの喉が甲高く鳴る。
「オレが追い出したくたって、オレにできるもんか!」
「彼奴等って?。」悲鳴のようなアギュの声に僕は割り込んだ。ケフェウスとか?
ユウリは黙って上を指さした。そこには天井が、いやそこを突き抜けてそこには第23番惑星の姿が大きく迫った。
オリオン連邦、最高機密研究所。
繰り返された、イリト・ヴェガと言う名前。所長だと言う、そいつが黒幕?
「そうだ!」アギュが手を打った。
「又、皆でオレとあそこへ行こう!ガンダルファにも現実を見せてやれ!」
アギュは鼻を膨らませると僕を再び指さす。「キサマも脅えるがいい!」
なんだ?この三流ドラマ?やっぱりお礼参りなんと違う?
「そうね。ガンダルファにもピクニック仲間になってもらうんだもんね。」
ユウリがいたずらっ子のような笑顔を向ける。唇に寄せる人さし指が激かわいいー。
ピクニック?んにょにょ? 急に肩のドラコが目を輝かす。
「オレは反対だ!言ったろ?コイツを起こすのは一度だけ!死ぬほど脅えさせるだけだって!」
アギュは手を振り回す。光の残像が残るところが臨界ぽい。
「スクールには自由がない。」シドラはアギュを無視。「監視されてないのは夢ぐらいだ。」
「アギュのおかげで、気が付いたの。あたし達、こんなことができるって。」
「たいしたことないさ、オレには。500年、寝てる間にずっとしていた。」
最高進化様は立ち直りも切り替えも早い。一転して満面の笑み。得意そうなアギュ。へぇ、じゃあ、世間的にヒッキーしてる間、あんたずっと遊び歩いてたわけか?
意識だけでって言うか、その、えーと心っての?
「生物の発する電気的磁場流体とか?簡単に言うと、原始惑星では魂とか言うのよ。」
ユウリがコロコロと笑う。
シデンもうなづく。
「能力があれば、他にもここに来れる生徒がいるかもしれんのだが。」
「ダメだよ。ここはオレが許した奴しか入れない。絶対、オレつぶすからな!」
小さなお山の大将希望者が僕を睨み付ける。
「キサマもだ!お山に登りたいなら、オレに絶対、服従!」
「じゃあ、とにかく、理屈は抜きで考えるようにするよ。これは夢じゃないと。」
「共有意識の場っていうのかしら。現実とは少しだけずれているの。」
ユウリは小首をかしげた。
「タンスの隅にあるゴミのような次元だ。」シドラはもともこもない。
「だからこそ、オレらは見つからない!。はい、ミンナ、オレを注目!」
お進化様ががじれる。
「じゃあ、行く?」ユウリはシドラとアギュを振り返る。
「ガンダルファも一緒に行くわよね?」はい。答え、早え~!
僕は寝ている僕を見降ろした。眉間にしわを寄せて歯をくいしばっている。うなされてるよ、これ絶対。
自分の寝顔なんて見るもんじゃないぞ、ほんと。
「間抜けな寝顔だ。」うるせぇ、アギュ。
「キサマが離れたらそのまま、死ぬかもな。」まじ?
「アギュも意地悪言わないの!ほら、みんな仲良く!」ユウリは軽くアギュを睨んだ。その顔はまるで我が子を叱る母のよう。心なしか甘い笑顔。アギュは目をそらす。まさか、照れてるんじゃないよな?。僕は穏やかではない。
「フーン」そんな僕をシドラ・シデンが、バラキがじっと見ている。焦る。
アギュは僕に舌を出した。
「うらやましいか?バ~カ!」
ユウリはそんなアギュは構わず、僕を励ます。
「大丈夫よ。あたし達、何度も遊びに行ってるから。」
うーん。それは確かに、とてもはげまされるよ、だけど。
なんかこの二人、ほんとに、ほんとにあやしくないの?。
僕、心配。
と、思いがけず、その場を救ったのはドラコだった。
いょーにょ!いきょ~のにゃ~
すぐ耳の側で声がしたからビックリする。なんか、シッポをふる錦鯉。
「しゃ、しゃべった!」
「どうやら。しゃべったようだな。」シドラが笑った。