Diary of Caviargirl

ホラー、ゾンビ、チェコ、虫、ヤドカリ、コマ撮り、ピンクな物事…キャビアガールの好奇心日記。

鉄男 THE BULLET MAN

2010-06-05 21:54:25 | movie
初めて『鉄男』第一作目を観たのは、大学生の頃、BOX東中野でだった。
たしか、塚本監督のトークショー付きの上映。
鉄と人体の融合という強烈なイメージは、その頃の私には刺激が強すぎて、途中で吐き気をもよおしたことをよく覚えている。
でも、なんだかものすごいエネルギーを発しているその手作り感溢れるビジュアルと、新しいコマ撮り表現は、私の心にグサッと爪あとを残したんでした。

で、今回の『鉄男 THE BULLET MAN』。
のっけから、ものすごいテンションで話が進んでいき、もうスクリーンも壊れちゃいそうなパワフルさ。
もう1シーン1シーンが超濃厚なの。
体にグイグイ訴えかけてくる感じ、快感! アドレナリン出たー!
とくに、子供がひかれた後の、あのシーン。すごい。
主人公が内なる怒りと肉体の変化にさいなまれるシーンでは、自分の内側の何かも目覚めそうな、そんな錯覚にとらわれました。

変貌した鉄男のルックスは、アナログ感たっぷりで、“ああ、塚本監督、変わってないよ。初心忘れてなさすぎだよ”と嬉しくなっちゃいました。
でも、アナログを安っぽくなく、かっこよく上品に、大きなスクリーンでも見劣りしない映像に見せる絶妙な技を、監督は磨いてこられたんだなあ。

あと、寒々しい都市の撮り方が秀逸で、冷え冷えとした街と、じゅうじゅうと煙を上げる熱い鉄の対比が、なんとも美しいというか、胸に響いた。
“熱いやつ、一発ぶちこんでくれよ”という“奴”の想いに思わず共感してしまう。

でも、とことんビジュアルに懲りつつも、それだけになったり変に実験映画に転んだりすることはなく、鉄男誕生の歴史も丁寧に説明し、“奴”の葛藤も描き、伏線もきっちりと貼ってきっちり回収し、ちゃんとしたエンターテイメントになっている。
それで71分という上映時間。濃厚で物語がしっかりしていてコンパクト、素晴らしい!

桃生亜希子さんはやっぱり可愛いなー。
あと、初代鉄男のトモロヲさんが1カットだけ出ていた。

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