クラージュせたがや ~Courage Setagaya~

元はベルマーレ応援サイト「STweb」の別館で2005年7月開始も、2010年12月の韓国赴任を機に半ば休業中。

神なる決定力 ~天皇杯を前に~

2006-10-08 02:38:47 | 湘南ベルマーレ(プレビュー・記録など)
打倒J1チーム、元日決勝を目指してJ2チームの天皇杯は
8日(日)の3回戦からはじまる。
湘南は平塚競技場で13時から大阪府代表・関西大と対戦。

神なる決定力。
「ここぞ」という時・舞台で「ここでとらないと・・・」という時に
点をもぎとり、栄誉を導く力。

ここまで13年サッカーを生で見てきた中でこの力を強く感じたシーンを
いくつか挙げたい。1~3はあいにく湘南のものではないので、
読み飛ばされてもけっこうです(苦笑)

1.2002年韓日W杯・日本対ベルギーでの鈴木隆行の同点ゴール。
後半に入って、日本はベルギーに先制点を許してしまう。
やりたくなかった先制点・・・しかしその直後、
小野の相手DFライン裏へのパスに反応して大きく足を伸ばした鈴木、
その足の先にボールはあたり、小野のパスをクリアしようと
飛び出した相手GKの横をボールがすり抜け、
ボールはゆっくりと我々(ゴール裏)の目の前の
ゴールマウスへとやってきた。
後で写真を見たら、ほんとにピンとのびた足のつま先にボールが
あたっているんだよね。この後などの彼への評価はさておき、
この時の彼は神と思わざるを得ない。この時間での同点弾がなければ・・・

2.2005年J1・東京V対ガンバでのアラウージョの決勝ゴール
首位に勝ち点差1で2位でつけていたガンバがアウェイで東京Vと対戦。
ガンバは水曜にナビスコ杯を消化し、かつ相手の東京Vが監督交代後に
調子を上げていたこともあって大苦戦。
藤ヶ谷のセーブなどでなんとか無失点でしのぐ。
そして終盤、ここまでで初めての決定機でアラウージョの左足が
炸裂。狂喜乱舞のゴール裏。ほんとに苦しい試合の中で得た
1点を守りきったガンバは6年ぶりのJ1リーグ首位に立ち、
第32節まで首位を防衛した後に優勝も果たした。

3.第82回天皇杯決勝・鹿島対京都での黒部の決勝ゴール
Jができてからの天皇杯で最も劇的だったのがこの時ではないだろうか。
10冠を目指す鹿島が序盤早々にして先制。しかし京都も後半反撃に出て
得意のセットプレーから朴智星のヘディングシュートで同点に。
その後も打ち合いに挑んだ京都は終盤、黒部がペナルティエリアすぐ外で
こぼれ球を左足でダイレクトで振りぬく。ボールはバーにあたりながらも
ゴールイン。まさか京都が逆転するとは。しかもこんなゴールで。
その衝撃に足が震えた。そして京都はクラブ史上初のタイトル獲得。
でも、その後クラブも黒部個人も下降してしまったのは何ゆえだろうか。

4.第82回天皇杯4回戦・清水対湘南での戸田の同点ゴール
残念ながらベルマーレでは「神なる決定力」を感じたことが殆どない。
J1にいた時はリーグ優勝できなかったし、天皇杯やアジアカップウィナーズを
獲った時は決勝こそ見たけれどそこまで感じたわけではなかった。
(まだ私のサッカーを見る目が今よりもさらに未熟だったし、
そもそも96年頃まではそんなに頻繁に試合を見ていなかった)
J2に落ちてからは昇格争いすら満足に参入できず・・・という有様だが、
これまでで最も上の舞台に近づいたこの時のことを振り返らずにはいられない。

3回戦でFC東京を打ち合いの末にVゴールで破り、
4回戦で敵地・日本平に乗り込んだ湘南。
バス10台近くをはじめ600人は詰め掛けたであろうサポーターの意気とともに
チームも試合開始から相手を押し込んで。その押し込む勢いのままに時崎が先制。
しかし清水も直後に三都主のクロスからバロンがヘディングシュートで同点。
後半、時間が経つにつれて清水におされていく湘南。
W杯戦士の戸田、市川も途中から出てきた。
そして後半33分に安貞恒の逆転ゴールを許す。
ここまでか・・・と思っていたところ、その直後の後半35分、
梅山のゴール前へのハイクロスを戸田が頭で合わせて
ボールは眼下のゴールネットへ吸い込まれていく。
同点だ!!!この時のゴール裏は皆半泣き状態で喜びを顕わにしただろう。
この瞬間は今でも涙なしには振り返れない。
戸田はこの天皇杯、2回戦の愛媛FC戦で
チーム唯一の得点、そして3回戦では前半にチーム2点目、そして後半には
チーム3点目でもある同点ゴールを決めて、と好調であった。
今回も・・・と期待は膨らんだが、延長に入ってさらに地力の差が顕わになり、
湘南も戸田が決定機を得るも外して延長後半ロスタイムに
安貞恒に痛恨のVゴールを許してしまった。負けた・・・ 
Vゴールの後、何人かの選手はしばらく起き上がれなかった。

天皇杯で活躍(特に優勝)したチームは来年調子を落とす、という傾向にあるが
それは優勝した後のチームのコントロールに問題があるだけの話だろう。
現に2006年元日で勝利した浦和は今首位だし、
2001年には元日で勝利した鹿島が後にJ1王者になった。
秋・冬の一時期に開催される天皇杯で活躍してもそれが年間を戦うだけの
チーム力の向上を示すわけではない、ということを忘れてはならないが、
その限りにおいてはやはり天皇杯での湘南の活躍は願わざるを得ない。
去年はJ1と戦う前にJFLに負けてしまった。しかもホームで。
今年の3回戦も決して楽ではないだろうが、せっかく水戸戦で改善され始めた
チーム状態、それを無にはしないで来月のJ1との対戦につなげてほしい。


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