接続/変換部品メーカー各社は、環境保全ニ-ズヘの対応のため、CO2排出量削減や、環境有害化学物質規制への対応、省エネ・省資源・リサイクルをはじめとする環境活動の推進に力を入れている。
環境配慮型製品開発への取り組みも進展し、部品の軽薄短小化追求による材料使用量抑制や、省エネ・高効率部品開発による機器も低消費電力化への貢献。
さらに、省エネ家電や新エネルギー関連製品などのエコ商品用部品開発に力が注がれている。
特に、太陽光発電発電システムやLED照明、スマートグリッドなどのエコロジー関連商品向けの新しい部品開発が進んでいる。
●エコ部品開発に注力
コネクタやスイッチなどの接続部品は、超小型化の追求による使用材料抑制や、長寿命化による省資源化、植物由来樹脂の採用、はんだレス化設計などにも力が注がれている。
有害化学物質削減では、RoHS指令への万全な対応を図るとともに、ハロゲンフリーを考慮した設計・材料選定なども進んでいる。
携帯電話や薄型テレビ用コネクタに使用される成形材料では、環境要求に高まりに対応し、既存樹脂からハロゲン系難燃材を使用しない高耐熱樹脂への切り替えも進んでいる。
スピーカなどの変換部品も、バナナパルプ使用コーン紙の商品化や、揮発性有機化合物低減などの取り組みが進展している。
設計の改良による消費電力の削減や、製品設計段階からリサイクル時を考慮した開発などの取り組みも進む。
廃棄物削減のため、材料の端材を削減するためのものづくりや、材料の直行率向上による廃棄物発生量削減などの取り組みも進んでいる。
RoHS指令をはじめとする化学物質管理強化のため、部品メーカー各社では国内外の工場への環境関連設備導入を積極的に進めている。
蛍光X線分析装置の内外各拠点への導入をはじめ、ガスクロマトグラフイ質量分析装置や誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-AES)などの導入を行う企業も増加している。
同時に、環境にかかわる分析の信頼性向上などのため、ISO/IEC17025(試験所および校正機関の能力に関する一般要求聖域)試験所認定を自社の事業所で取得している部品メーカーもみられる。
●創・蓄エネ関連開発
環境・省エネ関連機器向け部品の開発では、
・太陽光発電システムなどの創エネルギー関連
・リチウムイオン電池、燃料電池などの蓄エネ関連
・LED照明をはじめとする省エネ関連機器、スマートグリッドやスマートメーターなど高効率電流制御システム関連市場
向けの部品開発
が活発化している。
コネクタでは、太陽電池パネルモジュール間の接続用に、太陽電池モジュール用中継コネクタ&配線ユニットに多くのメーカーが参入しているのをはじめ、LED照明用コネクタへの新規開発を進めるメーカーも増加。
スマートメーター向けに、産業用フローティングコネクタの提案なども進んでいる。プライグインハイブリッド車や電気自動車の充電プラグなどの開発も進む。
リレーでは、エコカー向けに700V高圧リレーが採用されているのをはじめ、次世代のEVやPHV向けの車載用リレー開発に力が注がれている。
【記事引用】「電波新聞/2010年1月21日(木)/4面」