会社更生法の適用を申請していたエルピーダメモリは23日、東京地裁から更生手続きの開始決定を受けた。
地裁は迅速に再建を進めるため、破綻前の経営陣の一部が残る「DIP型会社更生」を認めた。坂本幸雄社長が財産処分などの権限を持つ管財人となり更生計画を策定する。
同社を支援するスポンサー企業の選定が今後の焦点となる。更生法適用の申し立て代理人だった小林信明弁護士も管財人に選ばれた。2人の管財人が中心となり更生計画案を策定し、8月21日までに地裁に提出する。
●スポンサー選定開始
坂本社長が留任すれば、経営責任があいまいになるとの指摘が出ていた。ただ、迅速にスポンサーを決めなければ、事業資金が枯渇し工場閉鎖や会社清算など2次破綻する懸念があった。
主要債権者であるメガバンクや日本政策投資銀行は、半導体事業に精通する現経営陣が指揮を執った方が早期再建につながると判断したもよう。
坂本社長が管財人となることで、破綻前までの再建方針が維持される見通し。
エルピーダは23日からスポンサー企業の選定を始めた。3月中に第1次入札、4月中に第2次入札を実施し、5月初旬に最終決定する。
昨年末から資本・業務提携交渉を進めてきた半導体大手の米マイクロン・テクノロジーがスポンサーの最有力とみられる。米インテルや台湾プラスチックグループ、東芝なども入札への参加を検討している。
エルピーダは、DRAMの開発・生産拠点である広島工場(広島県東広島市)の売却交渉を引き続き進める方針。
エルピーダは2月27日、東京地裁に更生法の適用を申請した。負債総額は4480億円で、製造業としては過去最大規模の破綻となった。
【記事引用】 「日本経済新聞/2012年3月24日(土)/3面」