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セミコン台湾2010、例年にない活況 主役はLED関連、革新進むパッケージング技術

2010-09-12 | 展示会



 10日までの会期で開催されている「セミコン台湾2010」。

 生産世界トップの地位を確保した台湾半導体産業の歩みを15年間刻んできた今回の催しは、人海戦術によらない生産効率と追随を許さない新生産技術分野の追求が主なテーマ。

 日本から出展した各企業は、「例年にない活況」と手応えを感じている。


●台湾各社 照明分野へ特化

 半導体・FPD(フラット・パネル・ディスプレイ)製造装置と材料関連の企業・組織で構成される国際団体であるSEMIの台湾が主催する今回の展示会。

 特別展示コーナーは、半導体業界が注力、注目する分野を象徴している。

 最多参加企業を集めたのがLEDパビリオン。台湾各社は、「もうクリスマス電飾は作らない」を合言葉に巨大市場化が見込まれるLEDバックライトや照明分野への特化を進めている。

 年末商材向けに生産調整が始まった液晶テレビ用パネルも、従来の冷陰極管からLEDバックライトヘの転換が進む。照明も、数年後には世界規模の大量生産時期を迎えることが約束されている。

 ここ1年、LED関連製造装置や材料ビジネスは倍増以上のベースで伸びており、ウエハーサイズ拡大や生産効率、品質向上への意欲は高い。

 ウエハー切断の旭ダイヤモンド、分割・研磨のディスコ、保護テープのリンテック、チップ分離マウントの東京精密、材料の東京応化やキヤノンマシナリーなど日本勢は、高品質と生産効率化を実現する独自ソリューションを提案している。

 MEMSパビリオンも盛況。日系では台湾長瀬産業も出展。電子部品、自動車、医療、バイオなど新規分野の開拓を目指した国家プロジェクトとして推進されている。

 3DICと先端パッケージングパビリオンも、国を挙げて推進している新製造技術分野として注目される。

 半導体パッケージで世界トップランクの日月光(ASE)の唐和明博士を中心に、産学協同の研究開発が行われ、ナノレベルのリソグラフイを実現する材料を開発している。

 様々な応用製品を提供している富士フィルム、日立化成、東レエンジニアリングなどの存在感は大きく、展示ブースは来場者で埋め尽くされた。


●革新化進むパッケージ方法

 半導体のパッケージ方法も革新化が進む。

 μmレベルまで薄型化したウエハーを積み重ねて大容量化したメモリーチップを、金線によるボンディングでピンに接続する従来方法が小型LSIや一部プロセッサで利用されている金属突起のパンプを利用する方法に変わる。

 新川半導体機械は、対応フリップボンダーを出展。ユーザーとともに応用分野を開拓していく構え。

 田中貴金属は、セミコン台湾に合わせて、金材料に対して75%のコストカットができる白金(Pd)系金属のマイクロファブを発表、金の高騰に対応する提案で注目を集めた。

 出展した日本各社の話を総合すると、半導体製造受託で10%のシェアを獲得した中国、ウォン安を武器に液晶パネルで価格攻勢を仕掛ける韓国への対抗が、台湾電子産業全体が直面する課題。

 コストダウンを含めた生産効率化、品質同上、追随を許さない生産技術の開拓を勝ち残りの鍵としている。日本の装置・材料企業への期待は大きい。





【記事引用】 「電波新聞/2010年9月10日(金)/1面


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