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今日は曇り

TPP

2011-02-11 16:51:35 | Weblog
TPPとは環太平洋戦略的経済連携協定のことで、
貿易の例外なき自由化のことを指す。昔は小国が多かったが、今では
アメリカやオーストラリアなどの大国も参加を検討し始めている。
そんななか日本はルール作りを含めて、茅の外にいる。

このTPPでよく話題に上がるのは農業だ。
今の日本の農業の実態は、もうここでかたる必要もないかもしれないが、
20年前は900万人いた従事者も今や600万を切っており、
その8割は兼業農家だ。その兼業農家はJAという不毛な組織と
おんぶにだっこという状態ときている。

そして何より論点として上がっているのは、
TPPで完全自由化を実現したら日本の農家はやっていけなくなり、
いざというときの日本の胃袋をどう保証するのかということだ。

では、どれほどやっていけないのか見てみたい。

まず、日本の場合貿易自由化といっても、例外的処置をなんとか勝ちとり
牛乳くでは約40%、米にいたっては約780%の関税を掛けている。
さらに米でいうと、効率的農業を実現しているオーストラリアなどに比べると
同じ1kgの米を作るのに20倍のコストがかかってしまう。

TPPというのは例外なき自由化であるから、関税は0になるので、
外国の米と、20倍もする日本の米とが同じ舞台で競争をすることになる。

しかしながら、日本人にとって日本の米はうまいという事実もあり、
世界的にもかなりうまいほうに位置づけられている。
しかし、そのかなりうまいに、20倍の金を払う価値を見いだせるかというのは
また難しい問題だろう。

さらに日本の農業の平均生産年齢は65歳を超えているという点も問題だ。
そういったことを受けて政府は若者に農業をして欲しいと発言している。
ただ平均年齢を下げたいだけであれば、議論の視点はあまりにも低い。

以上のようなことを含めて、TPPは日本の農業を死においやるのではないかという
話になっている。

しかし、例外的処置なしという貿易自由化において、
仮に若返りができたところで、90%が山地の日本において
広大でかつ肥沃的で労働量が安く、効率的生産を実現している他国と
渡り合えというの難しいことである。やはりこの20倍という価格差は埋めれるものではない。


TPPに参加しないのは自由であるが、参加する場合において、
日本は世界から食料を輸入する道を選ばざるをえない。
これは本質的な問題の解決であり、
TPPには参加するが、海外との価格差を補償制度で補填し続けるというのは
問題の先延ばしにしかならない。まったく意味がない無駄遣いだ。
TPPに参加しても対応できる足腰を鍛えられるまでというのであれば
そういった補償制度は意味がある。

是非将来を捉えて大きな視点での議論を期待するところである。

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