私は視野が広いですと面接で発言した人もいるだろう。
視野を広げたいと思う人もいるだろう。
視野を広げたものの見方をするには
それなりにこつがある。
例えば、
・ 反対側から物事を見てみる。
・ 両極端に振って物事を見てみる。
等がある。
反対側から物事をみる例で考えてみよう。
一般的に企業が消費者に商品を提供する場合には、
無意識かもしれないが、企業都合で物事を考えることが
ままあるようだ。
いい例がNTTがサービスインしたICカードだ。
これはテレフォンカードに偽造対策を施したものだ。
なぜこのカードが登場したかと言えば、当時は偽造テレフォンカードが
多く出回っていたためその対策が必要だったわけだ。
NTTとしては、偽造しにくいテレフォンカードつまりICカードを提供でき
社会的意義の高い仕事をした、非常に満足だ、してやったりと
思ったかもしれない。
しかし、消費者の立場で見れば、ICカードとテレフォンカードは何も違いはなく
しかもICカードが使える公衆電話の数があまりにも少ないので
ICカードを継続して使う理由がみあたらず、結果ほとんど使用されなかった。
これは反対側つまり消費者側視点が全く欠如した結果だ。
まあ、お役所NTTならではなのビジネスともいえる。
反対に、スイカはしっかり反対側でも物事を見れた成功例だ。
チャージを簡単にでき、定期としても使用でき、
JR以外の交通機関でも使用できるうえに、買い物もできる。
こうも様々なプラス要素があると、ユーザは是非継続的に使用しようということになる。
結果、一気に多くの使用数を獲得した。
おなじ元国営企業でもこの差だ。
他に両極端にふって物事を考えるの例だが、
これは今いるスタンスと反対側の思考をすることだ。
あるアメリカの化粧品メーカの例でいえば、
業界が不景気になり、競合他社を含めてコスト削減が求められている状況になった。
当然コストカットでまっさきにメスが入るのは販売管理費だ。
そのセオリーに従ったかのように、各社広告費を削減していったが
この企業は、あえて広告費を下げなかった。
おかげで相対的に広告費は他社に比べて高い結果になった。
そして、業界が持ち直してきたとき、勝ったのはこの企業だった。
普通、広告費を下げるが、あえて広告費をあげてみよう、そうするとどうなるかを
考えた結果、それを実践し成功をおさめた例だ。
視野が広いというのは、
今向いている方向性で様々な気づきをもたらすだけではなく
ドラスティックに視点を変えられ、結果どうなるかまで仮説を立てられることを言う。
決して違うのは、
ある人は物事の部分しか捉えられていないが
自分は限りなく全体を捉えている。
捉えている範囲が広いから自分のほうが視野が広いということだ。
これは視野が広いの一部でしかない。