現実と夢!!

今日は曇り

日本の強いところ

2009-07-25 12:32:23 | Weblog
日本はもう昔の日本ではなくなる。日本はもう駄目だ。
そういう人もいる。


確かに日本のスタンスはこれから変わるだろうが、日本にも強い部分は残っている。


スマイルカーブなるものがある。
これは
研究開発→商品企画→素材/生産→加工組み立て→販売→アフターサービス等の工程のなかで
どこに高い付加価値(利益)があるのかを表したものだ。

往々にして川上と川下が付加価値が高く、川中では低い。
しかし最近の動きとして台湾企業はこの川中で活躍しており、高い利益をあげれることを
証明しているからたいしたものだ。

で、日本や欧米は当然、川上や川下を主に主戦場としているのだが、欧米と日本の大きな違いは
日本は素材分野においてほぼ寡占状態であるということだ。

日本は、素材・材料においては高いシェアをもつものの、部品、最終製品と工程が下流になるに従い
シェアを落としている。
これは、いくつか理由があげれようが、単に組み立てるだけなら人件費が安い国でよいし
日本は欧米に比べて商品力が弱いという側面があろう。

この独占している素材分野で活躍する会社。例えばエレクトロニクス分野では
ヒロセ電機、村田製作所、ロームなどの利益率は15%を超えている反面、
パナソニックやシャープやソニーなど総合電機メーカになると、軒並み6%もない。

また液晶や半導体の材料においてこのほぼ寡占という状態になっているが、
いかんせん市場規模が小さい。

つまり日本のこの強い素材分野は、グローバルニッチ市場ともいえる。
ただ、ブルーオーシャン戦略がうまくっているいい例になる。


まだまだ強い分野がある。それは工作機械の分野だ。
Top10のうち5社は日本であり、総合力として日本はこの20年チャンピオンだ。
この分野が強いのは、ただ技術力が高いだけでなく、その発展の歴史にあるのだ。
全く欧米方式ではないからこそ勝ち得ているのだ。
メーカがお客さんの要求に合わせて、それも厳しい要求に対して試行錯誤をしており、
また、いつ発注がどれだけわからなくても先行投資をする、日本流がこの確固たる地位を築いたのだ。


結果、欧米やアジア企業では、標準化された部品の組み合わせをするタイプの部品の設計・製造に強みを
発揮するようになり、日本では事後的に部品を組み合わせ、調整しながら製造するタイプに強くなった。
前者はPCや汎用ソフトがあり、後者の日本の例では、自動車やコピープリンターなどがある。


こうみると勿論日本はもう勝ち目があまりなしかという分野もあるが
この分野は当分大丈夫だろうと思われる分野もある。

これから日本は今まで同じようなスタンスで世界をまたにかけるというわけにはいかないが、
日本流として大きな結果を残している分野については今後もどんどんその日本流を極めて行って欲しいものだ。


移りゆく基準

2009-07-10 22:33:44 | Weblog
何においても、基準と言うのは時代とともに変わることが多い。
わかりやすい例でいえば、もてる男性像なんてのはそうだろう。
昔は3コウと言われたが今は久しい。
さらに少し昔ではおもしろい+やさしいがはやったが、
今となっては、やさしすぎる刺激が少ない男性陣と揶揄されたりもする。


おどろいたことに異性に対する感覚が時代によって移りゆくのは
なにも人だけではないらしい。
国立科学博物館によると、鳥だってそこらへんの事情は一緒らしい。
なんともおもしろい。



これは、投資の世界でも同様である。
だいたい流行りというものがある。
少し前はBRICSと来て、その後には東南アジアに向かう。
業界においても、バイオ産業に目がいったと思えば次はエネルギーに目がいったりしている。


そうか、なら流行が時代の風が自分たちにふくまで待とうか と思いたくもなる。
ただ、もてる基準が自分に仮に向いたとして、それがいまから30年後じゃ意味がない。
ただ待つというスタンスはいかがなものか、少しリスキーかと思うわけだ。

これは会社においても同じである。
まずしっかり自己分析をするのだ。自分たちはどういった企業で今どこらへんに位置しているのか。
外部環境をしっかりととらえたうえでそこらへんを把握する必要があろう。
もちろん知るために分析をするのではなく、次の一手に出るために分析するのだ。

機関投資家は優良企業にもう少し積極的な姿勢を求める一方、
優良企業は、現状「守り」とも近い姿勢をとる所が多い。

しかし、ボストンコンサルティングによれば、M&Aは不況時におこなったもののほうが
好景気時に行ったものより効果が高いことが証明されている。


危機こそチャンスとは誰でもいえるが、言葉でいうほど簡単でもないのだろう。
ただ、危機後に今より優位なポジションにたつためには何をすべきかを積極的に考えて行動するに
損はないだろう。
実際にM&Aのように不景気に行うからこそより高い効果が得る方法があるのだから。

消費者2

2009-07-04 16:43:09 | Weblog
前回、合理的消費者を取り巻く複雑な環境の中、
今特徴化している事象をしっかり捉えながら、商品開発をする必要があることを述べた。

そういった消費者にアプローチするためにはどうしたらいいだろうか?
これは、地道に現場に行き、観察し、顧客の声を拾ってくるしかない。

すでにやっているという人もいるだろう。
すでに出来ている人は結構なのだが、よりこういったことが重要であるということだ。
今後は、マスでとらえることが出来にくくなってくる。
さらに一斉を風靡した、CRMやDBマーケティングも昔ほど強力なツールでなくなってくる
可能性がある。
要は、今までのやり方では、消費者をしっかりとらえることができにくくなる
可能性が非常に高い。

そういった中、ひとつ成功例を紹介しよう。
女性ならご存知、P&Gの「パンテーン」というトリートメント商品だ。
これはP&Gの女性担当者の成功事例になるわけだが、
簡単に紹介しよう。

トリートメントは、かつて家でするのが当たり前であった。
ただ、効能を長引かそうと、洗い流さないトリートメント商品が市場に出てくるようになった。
しかし女性は、実は昼間に髪の傷みを感じていたが、
洗い流さないトリートメントを昼間に使うとべたつくということで
使用していなかったのだ。

顧客との密なコミニュケーションの結果、
P&Gは2008年に、デイタイムリペアエッセンスというものを発表した。
勿論べたつきなしの昼間に使ってくださいという商品だ。
モバイルトリートメントという新ジャンルになった。

これは、ずばり女性が求めていたものだ。
結果女性はこの商品に飛びついたわけだ。


例えばあるスナック菓子を出す場合、いくら顧客と密なコミニュケーションをとっても
もう少しパッケージをおしゃれにとか、もう少し甘味を加えたほうがいいという
プロトタイプの多少「まし」になるレベルの改善を加えて商品化したところで
わずか1ヶ月で市場から消えていくことも珍しくないだろう。
本当に消費者が求めていたものではない場合、それは消えていくのだ。


この、本当に求めているものを探し出す重要性が日増しに増しているのが
今の消費者の心をつかみ取るとても重要なファクターとなっている。

この物あふれの日本で、ニーズの組み取りなど、各会社のマーケティング部隊が
だいたいやっているという人もいるが、本当にそうだろうか。
もしそうならデイタイムリペアエッセンスなる商品はお目見えすることはなかったはずだ。


あなた自身も消費者のはずだ。なんでこれがないのだろう?
こういったサービスや物はないだろうか?
こう思う代物は何かしらあるはずである。
それをふと気付くたびにメモをするだけでも大分意識が変わってくるのではと思うが
いかがだろうか?