ぼ~ざん工房
ぼ~ざんのBLOGです。いろいろ体験・書籍等紹介します!

 TOPICS  『ぼ〜ざん工房』は望山(水野敦之)の個人のBLOGです。


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    ご紹介いただき、たくさんの方に読んでいただいたら幸いです。  



明瞭化だけが注目の支援ではありません!

注目と構造化の関係を整理してみましょう!

シンプルな支援は明瞭化になり注目を助けます!


まずはこれまでの『注目を助ける支援のあれこれ』をご覧ください!

 TEACCHアプローチの構造化は、以前お話した注目を助ける【3つの支援】(※詳しくはこちら)をより具体的な視点(フレームワーク)で指導・支援ができると私は考えています。

 TEACCHの構造化はシンプルに5つの構造化で整理されています。そして5つの構造化1つ1つに意味があります。構造化と注目を関連付けて整理してみます。(構造化された指導(支援)についてはこちらをご覧ください。)


● 3つの支援(※詳しくはこちら)

  * 注目しなくていい部分を、注目しなくていいと位置づける

  * 注目しなければいけない部分を明確に指示する

  * 明確な指示をいつも同じやり方でつたえる。ルーティンの活用です。


● 物理的構造化と注目(物理的構造化に関してはこちら)

 物理的構造化による注目の支援としては、3つの意味があると思います。(物理的構造化の役割は2つです。こちら

1.注目しなくて良い部分、つまり刺激を遮断する

 そのことによって、注目しなくてはいけない部分に注目もできる。

2.1つの場所を1つの活動と設定することで、1つの場所の活動(の意味)に注目ができます。

 「ここでは課題に注目」「ここでは遊びに注目」「ここは食事に注目」
 +境界をはっきりさせることで、さらに場所・活動の意味に注目しやすくなります。

3.場所・物の配置で注目しやすい環境・状況づくり

 物理的構造化によって様々な場所、物の位置が整理され、動線なども整理され、本人が場所や物、行動に注目しやすくなります。


● スケジュールと注目(スケジュールに関してはこちら) 

 スケジュールによる支援では、「その時(いつ)」「どこで」「何をするのか」の注目を支援します。システムを活用することで、今はこの活動、終わって次はこの活動と、その時その時で何んの活動に注目するのかがわかります。そして見通しをもった全体と、次の活動1つ1つに注目ができます。


● ワークシステムと注目(ワークシステムに関してはこちら)

 ワークシステムによって、何の活動が、どのくらいあって、いつ終わるのか、おわったら何があるかが明確になることによって、その1つの場所でのいくつかの活動1つ1つに注目して進めることができます。

 終りがはっきりしている、終わって何があるのかがわかる、時には目当てになるものがはっきりする、そのことは注目しやすい状況になります。


● 視覚的構造化と注目(視覚的構造化に関してはこちら)

* 視覚的指示

 どんなに刺激を統制しても、どんなに明瞭化をしても注目すべきものがなかったら意味がありません。まず指示が本人にあわせて具体的にあることは重要な注目支援です。どんな課題・どんな活動に注目するのかを伝えることが重要です。

* 視覚的整理統合

 指示されているもの、材料、空間が整理統合されていることによっても注目はしやすくなります。物が散乱して荒れている作業スペースと整理されている作業スペースでは、どちらが注目しやすいか言うまでもありません。視覚的整理統合の支援がないと、必要な材料や指示にも注目ができません。

* 視覚的明瞭化

 指示や材料をより明瞭にすることによって注目を助けます。これがなくても指示がわかれば行動できますが、これがあった方が注目しやすくなります。


● ルーティンと注目(ルーティンに関してはこちら)

 いつも同じようにすることは、自閉症の方にとってパワフルな強みで、いつも方法が変わることよりも注目を助けます。いつも同じシステムを活用することは強い注目を支えます。

物理的構造化+ルーティン:いつもこの場所にくると「課題」をするという習慣は、その場所の活動を明瞭にします。

スケジュール+ルーティン:スケジュールで「いつも上から下にすすめる習慣」、「終わったらスケジュールに戻るという習慣」など、スケジュールそのもの(トランジッションエリア)の注目、その時の活動を示す指示の注目を助けます。

ワークシステム+ルーティン:ワークシステムで「いつも左から右で進める習慣」など、今の活動、順序性、終りなどの注目を助ける。

変更システムのルーティンでも、このマークがあれば、、、、
 ・変更のルーティン:Aの注目をやめて指示されたBに注目する
 ・追加のルーティン:次のAに注目しないで、指示されたBに注目する
 ・中止のルーティン:Aに注目しないで、次のBに注目する


●まとめ 

 いかがでしょうか?注目を助けるのは決して明瞭化だけではないと伝わったでしょうか。

 1つ1つの支援の意味、目的を知り、個々の特性にあわせた今回紹介した支援を総合的に設定していくことが重要になります。

 シンプルな支援は、本物の明瞭化につながらります。とってつけたベッタベタの色による明瞭化の支援は、よりわかりにくモザイクな環境になり注目を阻害します。

  明瞭化だけが注目の支援ではありません!
  注目と構造化の関係を整理してみましょう!
  シンプルな支援は明瞭化になり注目を助けます!

 注目支援は、まず指示があるか、本人にあっているか?整理統合は?場の設定は?意味あるルーティンがあるか?が大事!


まずはこれまでの『注目を助ける支援のあれこれ』はこちらから


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