就労支援、特に発達障害者の就労支援をしていて、
最近一番のハードルは本人と保護者の障害受容です。
あわせて、今、就労事情となかなかマッチしていない部分として、
本人の偏ったイメージの就職観があります。
その多くが字義通り解釈してしまう特性を考慮せず、親や周辺の支援者が偏ったイメージを過度に伝えすぎたことが要因ではないかと私は考えています。
将来は、こんなところに就職して欲しいという親さんの気持ちは今自分自身も子どもが生まれて痛いほどわかります。
しかし、障害者就労の重要なポイントのジョブマッチンの観点からすると、それはかけ離れています。
・椅子で長時間仕事を続けるのが難しい方に、もしくは情報整理や整理統合が難しい方に、保護者の思いだけで「ホワイトカラーでなければならいない」というイメージをつけたことから、なかなか本人にあった就職先へのアプローチに時間がかかる例。
・特別支援学校の高等部の現場実習、職場見学でも同じで、偏った職場、だいたいいつも同じのマンネリ化した内容から「自分もそうなるんだ」というインプットをする例。
どの例もジョブマッチングしてればOKですが、多くの場合そうではない。
偏った情報と、偏った押し付けイメージによる就職の自己決定(要望)が本当に適切な自己決定といえるでしょうか。
今、我が就労支援チーム内で、私と職場のスタッフと協働で実践していることは、本人たちにいくつかの経験と情報提示によって、利用者と一緒に自分の特性を踏まえた上で、様々な仕事のメリット、デメリットを整理し、自己決定、自己選択の支援をしています。(具体的な部分に関しては、いずれ整理して形に発表する機会があると思います。)まだ少ない事例ですが、かなり良い効果をうみ、私の地域でのモデルになっていければと思っています。
これは、高機能の方だけでなく、知的障害をともなう自閉症の方にも念頭においておく視点で、偏った経験ではなく、幅広い事例を通しての本人理解とか、本人の選択を支援いていく必要があります。
最後に繰り返しています。
保護者や支援者の思いを偏って伝えすぎるがあまり、イメージをつくりすぎ、先の世界を経験できなくなっていることを是非覚えておいてください。
偏ったイメージではなく、将来を見越した柔軟なイメージのための情報提供、そして事例(幅広い経験)を通した理解を導くことが大切です。
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