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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ヒト、この不思議なる動物③~発情期

2010-04-15 22:55:12 | 文化人類学
「発情期がない,もしくは年中発情している」

というのは,ヒトの大きな特徴のようです。


発情:成熟した動物がその本能として一定の時期に交尾欲を起こすこと。(新明解国語辞典第4版)

 動物にとって,もっとも重要なのが「個体の維持」と「種の保存」。「個体の維持」すなわち「生きること」に必要な行動は,息をすること(呼吸)と食べること(食物摂取)。「種の保存」すなわち「子孫を残すこと」に必要なのは,交尾することと子どもを生むこと。

 そして,動物の場合,通常,発情期というものがあることによって,確実に交尾し生殖することを可能にしています。

 ところがヒトの場合,特定の発情期というものがないかわりに,交尾しようと思えばいつでも可能。常にスタンバイの状態にあります。

 ヒトにもっとも近いといわれるチンパンジーは,メスにだけ発情期があって,期間は10日,周期は約一カ月。オスはメスの発情期に合わせて発情するとのこと。ボノボというチンパンジーの仲間は,発情期があいまいで,ヒト並に年中発情状態らしい。ここから考えると,ヒトの「年中発情」の歴史はかなり古く,アウストラロピテクスの段階から始まっていたのかもしれません。

 「生殖以外の目的で交尾する」

というのもヒトの特徴でしょう。避妊は,生殖という目的からすると本末転倒。自慰行為や同性愛も生殖につながらない。その他,さまざまな倒錯的性行為も然り。


 ヒトが,ある時期から「種の保存」の必要のために行動するのではなく,「欲望」のために行動するようになったと思われます。

 その時期はいつからかはよくわかりませんが,そうなってから「交尾時間」も長くなったのでしょう。チンパンジーの平均交尾時間は7秒,ゴリラのそれは1分,それに比べてヒトは…

 性に関する特徴として,男女の体の大きさがあまり違わないのも特徴のようです。ヒトの男は女に比べて10%ほど大きいけれども,チンパンジーの場合は30%,ゴリラの場合は約2倍(体重)。

 この傾向は,古代人類にもあてはまり,アウストラロピテクス・アファレンシスでは男が女より50%大きかったとのこと。

 この違いはどこから来たのかよくわかりませんが,ハーレム型の社会では男が女より大きく(ゴリラ),夫婦を基本とした社会では差が縮まるという説があるようです。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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生殖以外の目的 (スンドゥプ)
2010-04-17 23:42:02
生殖以外の目的では
生業のため
義理
なんてのも人間の場合はありますね。
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生業 (犬鍋)
2010-04-20 00:17:05
人類最古の職業だそうですね。

義理に似たもので,義務なんていうのもありそう。
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あはん (けんきゅうしゃ)
2011-08-02 18:10:33
ためになりました。
どうもありがとう♪(´ε` )
返信する
ヒトシリーズ (犬鍋)
2011-08-02 22:30:41
コメントありがとうございます。

連載途中ですが、続きがいつ書けるか未定です。ときどき覗いてみてください。
返信する

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