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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ヨーコの話(竹の森遠く)

2007-01-25 00:20:28 | 近現代史
 在美僑胞の社会で,「ヨーコの話」(原題So far from the Bamboo Grove:竹の森遠く)が波紋を広げているというニュースが韓国でも報じられています(記事)。

 さっそく教保文庫に行ってみましたが,韓国語版(ヨーコイヤギ)はまだ発刊されておらず,英語版は品切れで手に入れられませんでした。

 複数の新聞記事から内容をまとめると……

 著者のヨーコ・カワシマ・ワトキンズさんは,1945年の日本敗戦時,北朝鮮の
咸境北道の豆満江の近くの村,羅南(清津市)に住んでいた当時11歳。
 父は鉄道会社で働いていた民間
人。兄は
神風訓練の予科練に志願していた。
 韓国内で父,兄と生き別れになったが,翌年,兄は日本に帰還。父親は
戦後6年間シベリアに抑留された。兄の生還に際しては,
38度線近くで金という男性の助けを受けたという。
 
ヨーコさんはまず,母,姉といっしょに汽車で羅南から元山へ避難。汽車が爆撃を受け,徒歩でソウルに向かう。5週間,ソウルで兄を探したが,会えないまま釜山へ。
 10月に船で福岡へわたる。難民収容所で母親が亡くなり,姉妹だけが残されるが,翌年,兄が無事帰還する。

 ただ,新聞記事では,父親について「
日帝高官」とか,「実際はシベリアで6年間も服役した戦争犯罪者」とか,「マルタ実験を行った731部隊所属である可能性もある」など,いろいろに書かれています。

 本の中で,韓国脱出の過程で経験した悲惨な体験は,次のように記述されているそうです。

韓国人らが韓国から脱出しようとする日本人の女性や子供を迫害し、性的暴行をほしいままにした」

「脱出の過程で起きた韓国人らの日本人に対する無慈悲な追跡とテロ、脱出過程での苦痛と飢えなどを描写し、人々がばたばたと死に、性的暴行がほしいままに行われるのを目撃した」

韓国人たちが日本の児童たちを性的暴行した」

「韓国人たちが善良な日本人たちを虐待して性的暴行をしたように描写」

「韓国人たちの無慈悲な追跡を劇的に避けたが、人々が死んでいき、女児が暴行されるのを目撃した」

「同じ日本人も母娘には慰めにならなかった。日本人の男は日本の女性の所持品を狙ったし、朝鮮の男は日本の女性の体を狙った。」

 これらの事実の真偽について,またこのような内容を中学生のリーダーとして採用することの是非について,論議を呼んでいるようです。

 事実関係については,細かい記憶違いなどは別にして,大筋事実に基づいたものなのでしょう。しかし,これが当時の韓半島での一般的な現象だったのか,それとも局地的,例外的な状況だったのかは検討する価値があると思います。

 ただ,実際に作品を読んだ記者の記事には,作品の一部をとりあげて感情的に反応することをたしなめるものもあり,ほっとします。(記事

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