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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

上海ガニ

2009-10-31 23:05:04 | 食べる
 知り合いの中国人が,自宅で「上海ガニ祭り」をするというので,呼ばれて行きました。

 上海ガニは今が旬。

 私以外は中国人が4人。2人は上海出身,2人は香港出身。上海人の母語は「上海語」,香港人のほうは「広東語」,共通語は「北京語」という複雑さです。もちろん,まったく中国語を解さない私には日本語でしゃべってくれます。

 メインディッシュは上海ガニ。冷蔵庫から取り出された上海ガニは,ひもで十文字に縛られているけれどもまだ生きている。冷蔵庫の中でも生き続ける生命力には脱帽です。

 それ以外にも,鶏と大根のスープ,干豆腐のサラダ,その他いくつかの中華料理を用意してくれました。中国の男性は,料理のうまい人が多い。

 そして酒は,「女児紅」という紹興酒。もち米から作った酒で,女の子が生まれたときに紹興酒を仕込み,嫁に行くときにその酒を持たせるという謂われをもつ酒です。

 私は日本酒を持っていきました。山廃仕込み「天狗舞」吟醸酒。

 上海ガニは蒸して食べます。深緑色の体色は,蒸しあがるとほんのりと赤くなる。大きさはだいたい毛ガニと同じ。殻の固さも毛ガニ並で,食べるにはコツが要ります。

 まずお腹は剥がし,殻をはずします。その殻を皿代わりにして,特製の酢醤油を入れます。いちばんおいしいのは腹にあるカニ味噌。黒酢ベースのタレにつけてしゃぶりつく。そして女児紅を含む。

 うまい。

 ただ,脚の部分は細い上に殻が固く,苦労の割に得るものが少ない。殻を食い破り,脚のとがった部分を道具にして,身をほじくります。カニを食べ始めると無口になるのは万国共通です。

「天狗舞」のほうも,カニとの相性はよく,杯を重ねるうちに酩酊状態に陥る。だんだん細かい作業が面倒くさくなり,最後は脚をそのままかみつぶしし割れ目から出てくる肉を味わう戦法に。

 韓国でもよくカニを食べました。ノリャンジン水産市場で生きたカニを買って,市場の中にある食堂で蒸してもらうんですね。そこで食べたのは,主にタラバガニとアブラガニ。日本で食べるのはズワイガニか毛ガニ。

 中国人たちはみな上海ガニをほめますが,日本人の私からすると,やっぱりズワイガニやタラバガニのほうが食べがいもあり,味も上のような気が…。

 ま,値段が違いますね。上海カニは1匹800円~1000円(上海で買えば200円!)。その値段で「カニの味」が味わえるということで,お得感があります。

 12時半ごろから食べ始めて,お開きになったのは午後5時ごろ。昼間から酔っぱらって電車に乗っていると,今度は別の知り合いから夜のお誘いがかかる。結局,その夜は新大久保で韓国料理を食べ,終電まで飲むことになりました。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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上海がに (うめ)
2009-11-03 17:57:21
上海で仕事で付き合いのある現地の人たちと上海ガニを食べに行ったことがあるのですが、少し時期がずれていたせいだったのか、ずいぶんと痩せたカニで「どこを食べるんだろう」と思ったのですが、現地の人たちはしゃぶるような感じで中の身を上手に食べていてなるほどと思ったことでした。
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カニ味噌 (犬鍋)
2009-11-03 22:56:31
実は,行く前にデパートでカニの身をほじくるための,スプーンというか金串のような道具を買っていったのですが,上海ガニの脚は細すぎて,無用の長物でした。

実質的に食べられるのはカニ味噌だけ。それにしてもズワイガニや毛ガニのカニ味噌のほうがおいしいと思います。
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