犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

麻浦カルビ

2006-03-26 14:03:37 | 食べる
10年前の今日,家族ともども韓国に来て二日目,ソウルは麻浦(マッポ)のソウルガーデンホテルに泊まっていました。夜ごはんはホテル近くの焼肉屋。やっぱり韓国に来たら焼肉だろうということで,たまたま目についた焼肉屋に入りました。これといった特徴もない店でしたが,まあそれなりに満足しました。
あとから聞くと,麻浦はカルビで有名な場所。ソウルのそこここに「麻浦カルビ」と銘打った店が目につきます。探せば名店もあったのでしょうが,そのときは知識もなく,紹介してくれる人もいなかった。

最近よく行くのは,ホテル(そういえばこのホテル,数年前に「ホリデーイン」と名前が変わりました)から北に5分ぐらい行って鉄道の高架下を右にまがったあたりの,路地。カルビとはいっても豚カルビですが,ここが安くてうまい。
ドラム缶を利用したテーブルがまた,今となっては希少価値。店内よりも店の外の席がお勧め。けっして上品とはいえませんが,野趣あふれる豪快な味わいです。

地名と食べ物を組み合わせて店の名前にするというのは,韓国ではとてもポピュラーな手法です。なんでその食べ物とその地名が関係があるのか。きっと理由があるんでしょうが,よくわからない。
麻浦カルビ以外にも,明洞(ミョンドン)カルククスとか,平壌冷麺とか,議政府(ウィジョンブ)プデチゲとか。

議政府プデチゲについては理由がはっきりしてます。プデチゲとは「部隊チゲ」のことで,米軍基地から横流しされるハムやソーセージの缶詰と,キムチ,インスタントラーメンをごった煮した,乱暴かつ美味な鍋ですが,議政府にあった米軍基地の周辺が発祥の地だとのこと。

韓国の代表的な料理に「サムゲタン」がありますが,これは例外的に地名ではなく,時代名と組み合わせて店の名をつける習慣があります。「高麗サムゲタン」,「百済サムゲタン」……。とはいえ,「新羅サムゲタン」,「朝鮮サムゲタン」は聞いたことがない。

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