「今日は水曜日だから,フェイジョアーダが食べられるわ」
日系ブラジル人が言います。
ブラジルというと牛肉のイメージが強かったのですが,ブラジルの国民食は,意外なことに「煮豆かけご飯」。フェイジョンという薄茶色の豆(日本にはないらしい)を塩味で形が崩れるくらいに煮込んだものを,ご飯(インディカ米)にかけて食べる。
ブラジルでこんなにお米を食べるとは思いませんでした。
フェイジョアーダというのは,黒いフェイジョンと豚の端肉(耳,足,脂身,内臓など)を煮込んだ料理。仕込みに時間がかかるため,水曜日と土曜日にだけ出すポルキロの店が多いのだそうです。
昔,奴隷制があった時代,黒人奴隷たちがフェイジョンと,捨てられていた豚の部位を一緒に煮込んで食べていた。白人の主人たちがとりあげて食べてみると,これがうまい! それで白人たちも食べるようになり,ついにブラジルの国民的な料理として定着したとのことです。
食べ物の裏に,こんな哀しい事情があったのですね。
韓国でネージャンタン(内臓湯/豚の血の腸詰め(スンデ),耳,内臓などを煮込んだ料理)を好んで食べていた私は,迷わずフェイジョアーダを自分の皿にとりました。
黒い色は,韓国の国民食,チャジャンミョンを思わせます。味は意外にあっさりした塩味で,臭みもない。抵抗なく食べられます。
「ここのフェイジョアーダはなかなかいけますよ」と日系ブラジル人。
韓国人がチャジャンミョンの味にこだわるように,ブラジル人はフェイジョアーダの味にうるさいらしい。
「犬鍋さん,時差ボケはもう治りましたか」
「最初は大したことないと思ったけれど,けっこう長引いてますよ。今朝も夜中の3時に目が覚めて眠れない。やっぱり地球の裏側だからね」
「その裏側って言葉,ブラジル人が聞くといい気がしませんよ。なんか日本中心みたいで」
「なるほど。じゃ反対側ならいいかな」
島根出身の妻が,「裏日本」という表現を嫌っていたことを思い出しました。
ブラジル人は愛国者が多い。日系の彼女も例外ではありません。
「やっぱりコーヒーはブラジルが最高ですよ。日本のコーヒーなんてまずくて飲めません」
(えっ,あの甘ったるいコーヒーがおいしいの?)
一般にブラジル人はコーヒーに砂糖をたっぷり入れて飲みます。事務所の屋上の喫煙コーナーには,ポットに入ったコーヒーをセルフサービスで勝手に飲めるのですが,これがとても甘い。
「ま,コーヒーはブラジルの代表的な作物だからね」
「ピザもブラジルがいちばんおいしいんですよ」
「えっ,イタリアよりも?」
「国際的なピザコンテストでブラジルが優勝したんです」
「たまたまでしょう?」
「いえ,2年連続です」
(……)
「インド料理もおいしいです。サンパウロに,インド以外で世界一おいしいインド料理の店がありますよ」
「ホント?」
「店の看板にそう書いてありました」
(うーん,ここまで来ると…)
ブラジル人は「ブラジルが世界の中心だ」と間違いなく信じています。
日系ブラジル人が言います。
ブラジルというと牛肉のイメージが強かったのですが,ブラジルの国民食は,意外なことに「煮豆かけご飯」。フェイジョンという薄茶色の豆(日本にはないらしい)を塩味で形が崩れるくらいに煮込んだものを,ご飯(インディカ米)にかけて食べる。
ブラジルでこんなにお米を食べるとは思いませんでした。
フェイジョアーダというのは,黒いフェイジョンと豚の端肉(耳,足,脂身,内臓など)を煮込んだ料理。仕込みに時間がかかるため,水曜日と土曜日にだけ出すポルキロの店が多いのだそうです。
昔,奴隷制があった時代,黒人奴隷たちがフェイジョンと,捨てられていた豚の部位を一緒に煮込んで食べていた。白人の主人たちがとりあげて食べてみると,これがうまい! それで白人たちも食べるようになり,ついにブラジルの国民的な料理として定着したとのことです。
食べ物の裏に,こんな哀しい事情があったのですね。
韓国でネージャンタン(内臓湯/豚の血の腸詰め(スンデ),耳,内臓などを煮込んだ料理)を好んで食べていた私は,迷わずフェイジョアーダを自分の皿にとりました。
黒い色は,韓国の国民食,チャジャンミョンを思わせます。味は意外にあっさりした塩味で,臭みもない。抵抗なく食べられます。
「ここのフェイジョアーダはなかなかいけますよ」と日系ブラジル人。
韓国人がチャジャンミョンの味にこだわるように,ブラジル人はフェイジョアーダの味にうるさいらしい。
「犬鍋さん,時差ボケはもう治りましたか」
「最初は大したことないと思ったけれど,けっこう長引いてますよ。今朝も夜中の3時に目が覚めて眠れない。やっぱり地球の裏側だからね」
「その裏側って言葉,ブラジル人が聞くといい気がしませんよ。なんか日本中心みたいで」
「なるほど。じゃ反対側ならいいかな」
島根出身の妻が,「裏日本」という表現を嫌っていたことを思い出しました。
ブラジル人は愛国者が多い。日系の彼女も例外ではありません。
「やっぱりコーヒーはブラジルが最高ですよ。日本のコーヒーなんてまずくて飲めません」
(えっ,あの甘ったるいコーヒーがおいしいの?)
一般にブラジル人はコーヒーに砂糖をたっぷり入れて飲みます。事務所の屋上の喫煙コーナーには,ポットに入ったコーヒーをセルフサービスで勝手に飲めるのですが,これがとても甘い。
「ま,コーヒーはブラジルの代表的な作物だからね」
「ピザもブラジルがいちばんおいしいんですよ」
「えっ,イタリアよりも?」
「国際的なピザコンテストでブラジルが優勝したんです」
「たまたまでしょう?」
「いえ,2年連続です」
(……)
「インド料理もおいしいです。サンパウロに,インド以外で世界一おいしいインド料理の店がありますよ」
「ホント?」
「店の看板にそう書いてありました」
(うーん,ここまで来ると…)
ブラジル人は「ブラジルが世界の中心だ」と間違いなく信じています。
フィリピンにも豚の足の丸揚げ料理(クリスピーパタ)がありますが、肉の部分はあまりなく、これも元々は主人が食べない部分のような気がします。でも私は好きです。
ところで「ホルモン=放るもん説」はWikiると否定的な見解ですね。
もともとジャガイモが主役だったからああいう名前になのかもしれません。
ただ,日本もそうですがジャガイモが入ったのは19世紀後半のはずだから,そんなに歴史のある食べ物じゃないはず。
〉ホルモン
そうでしたか。
韓国語では,コプチャンクイとかヤンコプチャンとかコプチャンチョンゴルなど,部位の名前を言い,「ホルモン」のような総称はないようです。