私が今勉強に使っている本は、『ニューエクスプレス インドネシア語』。今年の9月に出たばかりの本です。
それまで、このシリーズにインドネシア語はありませんでした。けっこうメジャーな言語なのにおかしいと思って調べてみると、エクスプレスシリーズのインドネシア語は、過去に2回出たようです。
最初は1995年の『エクスプレス インドネシア語』。そしてそれにCDがついた『CDエクスプレス インドネシア語』が2002年。著者は柴田紀男で、天理大学教授(刊行当時)。
この本がいつ絶版になったのかはわかりません。
最新刊の『ニューエクスプレス インドネシア語』の著者は降幡正志(東外大准教授)と原真由子(阪大准教授)の二人です。
このシリーズには、いろいろな言語がありますが、全言語共通の構成をとっています。
最初に発音解説、そして20の課があります。各課は、インドネシア語のスキット、日本語訳文、語注、文法解説があり、2課に1つの割合で練習問題。またところどころに「単語力アップ」というページがあり、スキットでは扱えなかった語彙が体系的に提出されています。
文法解説は、かなり本格的で、文法用語を使った解説がなされていますが、特別な用語はきちんと説明したうえで使われているので、じっくり読めば何とか理解できます。
以前、インドネシア料理屋に働くインドネシア人アルバイトから、
「インドネシア語には文法がないから簡単だ」
と言われたことがあります。
確かに、動詞・形容詞に活用がないし格変化もない。名詞の(文法的な)性・数もない。
ただ、動詞(や形容詞)は、「基語」と呼ばれる「核」のようなものに、接頭辞や接尾辞がついてさまざまな派生語を作り、それを覚えなければならないので、活用を覚えるのと同様の苦労があります。
たとえば、「受け取る」という動詞。
terimaという基語(=他動詞語幹=ゼロ形)にmeN-が前接してmenerima、di-が前接してditerimaという動詞ができます。
私は手紙を受け取った。
のような文では、menerimaを使いますが、
手紙は私が受け取った(手紙は私に受け取られた)。
になると、ゼロ形であるterimaを使い、
手紙は父が受け取った(手紙は父に受け取られた)。
のように、動作主体が3人称になると、diterimaを使う。
また、命令文ではゼロ形を使う、というように用法は複雑です。
テリマ・カシ(ありがとう)
という表現は、直訳すると
「愛情を受け取ってください」
で、テリマはterimaの命令形(=ゼロ形)です。
このほかにも、自動詞を作る接頭辞とか、名詞を作る接尾辞があり、接辞がつくときに音(綴り)の変化があったりもするので、それなりに「文法」は複雑です。
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