犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

バー・ガルーダ

2018-09-08 23:25:56 | 大阪暮らし

 インドネシア語のレッスンのあと、先生といっしょに、前から気になっていた韓国料理屋に初めて行きました。

 雑居ビルの地下にあるお店。入り口に「ハナ」というハングルの看板があります。ハナは韓国語で「1」の意味。「ニム(様)」ということばをつければ、基督教(韓国ではプロテスタントのこと)の神様の意になります。ちなみに天主教(韓国ではカトリックのこと)の用語は違っていて、ハヌニム。

「あれっ? ガルーダだって」

「ほんとだ」


 今まで気づきませんでしたが、「ハナ」という看板の下に「ガルーダ」というアルファベットの看板がありました。ガルーダはインドネシアの国章になっている神話の鳥。インドネシア国営航空会社の名前でもあります。

「インドネシアンバーかな」

「もしそうなら、バリのお店だろうね」


 インドネシアはイスラム教なので、基本的にお酒は飲みませんが、バリ島はヒンドゥー教だからそんな戒律はありません。

「あとで行ってみようか」

 さて、ハナは済州島出身のご主人と日本人の奥さんの夫婦経営で、料理はご主人が作ります。

 先生はイスラム教を棄教したとはいえ、豚肉はあまり得意じゃないだろうから、サムギョプサルではなく、ナクチポックムを頼みました。これに石焼のご飯を頼み、ナクチポックムを半分掛けて、石焼ビビンバ風にするのが美味。

 食事が終わってから、通路を隔てた向かいのガルーダに入ってみました。

 店は、10人ぐらい座れるカウンターのほかに、テーブル席もあってかなり広い。店の端にはダーツが二台あります。インドネシアまたはバリ島らしい雰囲気は感じられません。

「すいません。ここは何かインドネシアと関係があるんですか?」


「インドネシア? いえ、ないですけど」


 マスターはガルーダがインドネシアの国章であることも知りませんでした。

(ま、いいか)

 カウンタ―には40代ぐらいの男性が二人。ダーツに興じています。横目で見ていると、ほとんどがブル(的の真ん中の50点)。

「隣のお客さん、うまいですね」

「彼は元プロですよ」


 マスターが教えてくれました。

 その後、その男性から、プロだったころの話や、ダーツにまつわる蘊蓄を聞き、楽しいひと時を過ごしました。

 家に帰って調べてみると、ガルーダはヒンドゥー教と仏教の共通の神話の鳥で、インドネシアだけでなくタイの国章であることを知りました。漢字語では、金翅鳥。

そ ういえば、韓国の文豪イムニョル(李文烈)の作品に「金翅鳥(クムシジョ)」というのがあります。韓国の高校の国語の教科書に載っていて、私は翻訳で読みました。


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