net news 名護市長選「辺野古疲れ」が壁に 涙こらえる稲嶺さん「まだ止められる」 (沖縄タイムス2018/02/05)~民意の結果。民主主義を尊重しないとね。
辺野古新基地建設などを争点にした4日の沖縄県名護市長選挙は、「市民生活向上」を訴えた渡具知武豊さん(56)が現職を大きく離し、初当選を果たした。「新基地建設ノー」を掲げた稲嶺進さん(72)は、20年以上賛否を問われ続けて市民に広がる「辺野古疲れ」のムードが壁になり及ばなかった。
「残念ながら辺野古が争点となりえなかった」。現職の稲嶺進さんは落選に悔しさをにじませた。午後10時28分、大きな拍手に包まれて選挙事務所前の特設テントに姿を現した稲嶺さん。腰を下ろそうとした瞬間に「渡具知さん当選確実」の速報が飛び込んだ。翁長雄志知事に何かを耳打ちした後、テレビ画面を指さして10秒ほど身動きせず、あぜんとした表情を浮かべた。
相手候補の当確に「うそだ!」と支援者の悲鳴が響いた。
「大変残念な結果になりました」。多数のカメラに囲まれ、宙を見つめて報道陣に敗戦の弁を述べた稲嶺さん。目頭を押さえながら、「新基地はまだ止めることができる。諦める必要はない」と声を絞り出すと、会場に大きな拍手が起こった。
アナウンサーの四つ目の質問で司会の男性が突然、会見を打ち切り、稲嶺さんの肩を抱いてテントから事務所内に誘導。報道陣がその姿を追いかける中、「メディア、もういいだろう」と支援者の怒号が響き、現場は騒然となった。
稲嶺さんは、二人三脚で選挙戦を支えた妻の律子さん(71)と事務所内に入ると、こらえきれずに涙を流した。事務所の窓は急きょ目張りされた。午後11時10分。「市長はいつまでも私たちの市長だ」との声援がこだまする中、無言で車に乗り込んだ。