椎名林檎のニューアルバム、『放生会(ほうじょうや)』がリリースされた。毎回斬新で奇抜なアイディアで、クリエイティブなアルバム制作を行う椎名林檎だが、今回は様々な“歌姫”とのデュエットがテーマになっており、女性のパワーを感じる強力なアルバムとなっている。
僕は椎名林檎が昔からかなり好きだ。以前にも何度か取り上げたことがあると思うが、特に彼女のアルバム、『無罪モラトリウム』は僕の中のベスト邦楽アルバムトップ10にも入っており、名盤だと思っているが、今でも時々聴いているほど好きな1枚だ。そしてシングル『本能』には、その官能的なエロティズムに当時衝撃を受けたものだ。あの若い頃の彼女の、何だかいきなり後ろからナイフで刺されそうな(笑)、何とも言えない危険な香りが禁断の魅力みたいで、とても好きだった。
椎名林檎は常に斬新な音楽を届けてくれるが、今回のニューアルバム『放生会』に収録されているのは下記13曲。中嶋イッキュウ、AI、のっち、宇多田ヒカル、新しい学校のリーダーズ、Daoko、ももとのデュエット曲が収録されていて、どれもかなり秀逸だ。
- ちりぬるを (w/中嶋イッキュウ)
- 私は猫の目
- 生者の行進 (w/AI)
- 人間として
- 初KO勝ち (w/のっち)
- 公然の秘密
- 浪漫と算盤 (w/宇多田ヒカル)
- 茫然も自失
- ドラ1独走 (w/新しい学校のリーダーズ)
- さらば純情
- 余裕の凱旋 (w/Daoko)
- いとをかし
- ほぼ水の泡 (w/もも)
この中で僕は特に驚いたのが、PERFUMEののっちとのデュエット。のっちはPERFUMEの中で僕が一番好きで、はっきり言ってとても好きなタイプの女性だが、PERFUMEを離れて歌ったことはこれまで無いと思うので、とても意外だった。どうやら、椎名林檎がのっちの美声に惚れ込み、何とかデュエットしたいと長年口説いて、今回ついに実現したというから、さすが椎名林檎である。
そしてそのデュエット曲『初KO勝ち』だが、とてもカッコいい曲に仕上がっており、今回のアルバムの中でダントツのイチオシだ。PVも公開になっているが、ボクシングで椎名林檎とのっちが対決する設定になっていて、とても素敵なのでぜひ観てみて欲しい。
のっちの歌声もどこか椎名林檎にも似ていて、とても美声!これならいずれソロアーティストとしても全然イケると思ってしまった。好きなのっちの歌声を今回聴くことが出来たのはかなり驚きの収穫である。