▲マルバハネゴケ(おそらく)。雪解け水がしたたって緑がきらめく。奈良県天川村にて
確定申告も片付き、ほっとしていたらもう3月も下旬に入るところ。
今年のご近所は、スミレ、ジンチョウゲ、ユキヤナギ、コブシ、ミモザの順で花が開いていくのを確認。
公園のサクラも日ごとに蕾が膨らんできているので、もうそろそろだろう。
それにしても、春を告げる花たちはどれもそれぞれにかわいらしいのに、
サクラだけことさらに待ち遠しい思いを募らせてしまうのはなぜだろう。
(春の嵐がどうかサクラの蕾が開く前に過ぎ去ってくれますように)と気づけば毎晩、夜空に願っている。
そういえば、先週は奈良県のまだあちこちに雪が残る山の奥で、
春を告げるコケたちをいくつも見かけ、その美しさに心洗われるような思いがした。
▲蘚類の中でも指折りの美しさと名高いクジャクゴケ。サク柄が黄色っぽいのでヒメクジャクゴケかもしれません
▲まだ「玉」はつけていないものの、サク柄が伸び始めているタマゴケ。群落もきれいな球形でした
いよいよコケの春到来で、コケ好きたちの本格始動もいよいよ。
皆さま、今年もめいめいにがんばりましょう。
さて、3月19日のNHK文化センター神戸教室の「春の神戸できのこ&コケ鑑賞会」は
おかげさまで盛会に終わりました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
もう十年来の友人としてお付き合いさせていただいている
きのこ写真家・新井文彦さんと初めて共に講師を務めましたが、
ネイチャーガイドとしてもベテランの新井さん、さすが200%の安定感。
いつもは一人でコケを紹介しているので一切の余裕がないのだが、珍しく何枚か写真も撮れた。
神戸の低山にも奈良の山奥のコケに負けず劣らず、いたるところで春を告げるコケたちの姿が。
▲キノコもコケも生えている切株を観察中
▲サクと新芽が同時進行で成長していくコバノチョウチンゴケ
▲春の雨で青々と輝くシッポゴケの仲間(おそらくオオシッポゴケかな?!)
▲ヒメトサカゴケ。縁についている砂糖のような粒々は無性芽
▲カワラタケ。黒っぽい表面をよく見ると、まるで樹の年輪のような環紋(かんもん)がある
▲キノコとその名前を1ショットで収められるというグッズをご持参されたツワモノ参加者が!
▲ちょっと古い個体ですが、〝地上の星〟ことツチグリを参加者が発見してくださいました
▲新井さんがツチグリを手に取り、なにやら指でぽふぽふと押しております
▲茶色い粉状の胞子が見えるでしょうか? ここですかさず新井さんの決め台詞が!
「キノコの胞子散布を手伝う(=奉仕する)。これぞ本当の胞子活動!!」
▲どんぐりのような帽がかわいいタチヒダゴケ(じつは見事なタマゴケもいたけど撮り忘れた~!)
▲一見すると枝が黒く焦げているように見えますが、じつはぷにぷと柔らかいキクラゲの仲間
▲樹幹に地衣類も豊富なフィールドでした。おそらくマツゲゴケの仲間。
ちなみにキクラゲの仲間やマツゲゴケの仲間は、写真だけ見るとちょっと気持ち悪い?!かもしれないが、
参加者一同「なにこれ、かわいい~~!!」と黄色い声が上がる。
これが本物のコケ好き、隠花植物好きです。現場からは以上です。
そして!
じつは5月にも再びNHK文化センターでコケ講座を持たせていただくことになりました。
今度はいつも通りの一人で講師を務めますが、四季の中でもっともコケに勢いのある時季です。
きっと楽しい観察会となるでしょう。観察場所は、神戸界隈の低山か自然公園へ行く予定です。
なお、今回の観察会でも80代の方が一日ご参加くださいましたが、
なにせコケ好きの歩みはゆっくりのんびりなので、老若男女問わず楽しめるのがよいところ。
ピークハントとは真逆の山歩きですので、体力に自信がない方もぜひ!
(普段から外をウロウロ歩くのが好き、という方なら大丈夫です)。
参加申込みもすでに始まっていますので、もしご興味ありましたらお早めにどうぞ!
小学生以上の親子参加も可能ですよ。
<お申込み>NHK文化センター西宮ガーデンズ教室→ ☆
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