重い議論だと思います。
どちらの主張にも立場と視点においてもっともだと思える点があります。
強いて言えば、重い議論だけにしっかりと立ち止まって考えることが必要だと思います。
受験を目指していた人たちにとってはとても残念なことかもしれませんが、志望していた学校が重大な問題を抱えていたことが明るみになったことは事実です。
受験生には確かに罪はありませんが、学校が重い問題を抱えている以上、罪のない受験生を重い問題を解決しないままに受け入れることは許されるべきではないと思います。
それは当然のことながら、二度と悲劇を繰り返さないためにもです。
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<【「体罰」を考える】 反響続々「入試中止」は是か非か>
産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/ 2013年1月21日
大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将だった2年男子生徒=当時(17)=が自殺してから間もなく1カ月。21日中には、橋下徹市長が要請した同校体育系2科の「入試中止」について、市教育委員が可否の判断を下す予定だ。今回の問題では、生徒が自殺前、家族に、顧問の男性教諭(47)から頻繁にたたかれていると話していたことが発覚。「体罰」をめぐる問題が改めて投げかけられた。読者の声をつなぐ小欄。今回は「体罰」をテーマに、悲劇を繰り返さないために何ができるのかを考えてみたい。
まず、今回の問題を改めて振り返る。
大阪市教委が生徒の自殺を公表したのは今月8日。生徒は自殺前日にも試合中に顧問から何度も平手打ちされ、その後顧問と面談。主将を続けるのが「しんどい」と伝えると、2軍行きを示唆され、続ける意思を示すと顧問は「今後も殴られてもええねんな」との趣旨の発言をしたという。生徒が遺(のこ)した手紙には「同じようなミスをしても、主将だからよりきつく怒られる」と記されていた。
橋下市長は当初、クラブ指導現場での体罰を「あり得る」と容認するような発言をしたが、12日に遺族と面談後「自分の考えが間違っていた」と言明。その後「問題を黙認してきた過去の連続性を断ち切るため」などとして、桜宮高体育系2科の入試中止や教員の総入れ替えを市教委に要請。受け入れられない場合、市長の権限で、入試に必要な予算を含めて支出を認めない考えまで示した。
産経新聞では18日以降、紙面やインターネットサイトを通じて読者の意見を募集。反響は大きく、すでに700件を超え、とりわけ入試中止の是非に関する内容が多かった。小欄で「体罰」そのものを考える前段として、まずはこのテーマについて取り上げたい。
入試中止を求める橋下市長、難色を示す市教委の双方とも「生徒にとって何が最善か」を考えている点では一致している。ただ、「いったん入試を止め、学校の在り方そのものを検討すべきだ」という市長に対し、市教委は、入試目前のこの時期に受験生に与える影響の大きさ、混乱を強く懸念する。
この問題に関し、市教委には18日現在で約500件の意見が寄せられ、うち約7割は橋下市長への反対意見だという。これに対し、本紙に寄せられた意見は、賛否がほぼ拮抗(きっこう)している。
入試中止賛成派の声は、「改善されるまで学校運営の一部を停止するのは当然」(福岡市の31歳会社員)、「私が市長なら学校を解体したいぐらい。徹底的に改革してもらいたい」(大阪府の31歳男性会社役員)といった内容が多い。
一方、反対派からは「在校生、受験生は何ら問題ない」(兵庫県西宮市の男性)とし、「橋下市長の考えはポイントのずれた極論だ」(さいたま市の68歳男性)という指摘が目立つ。罪のない受験生が不利益を被るような方策はおかしい-という意見だ。
市教委が21日午後に開く教育委員会議は、結論を導き出す過程で侃々諤々(かんかんがくがく)の議論となるだろう。小欄ではこのテーマのほか、学校教育法で「違法」と規定される教育現場の体罰の有無や是非、教員の指導の在り方などについて、読者のみなさんとともに幅広く探っていきたい。(か)
どちらの主張にも立場と視点においてもっともだと思える点があります。
強いて言えば、重い議論だけにしっかりと立ち止まって考えることが必要だと思います。
受験を目指していた人たちにとってはとても残念なことかもしれませんが、志望していた学校が重大な問題を抱えていたことが明るみになったことは事実です。
受験生には確かに罪はありませんが、学校が重い問題を抱えている以上、罪のない受験生を重い問題を解決しないままに受け入れることは許されるべきではないと思います。
それは当然のことながら、二度と悲劇を繰り返さないためにもです。
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<【「体罰」を考える】 反響続々「入試中止」は是か非か>
産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/ 2013年1月21日
大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将だった2年男子生徒=当時(17)=が自殺してから間もなく1カ月。21日中には、橋下徹市長が要請した同校体育系2科の「入試中止」について、市教育委員が可否の判断を下す予定だ。今回の問題では、生徒が自殺前、家族に、顧問の男性教諭(47)から頻繁にたたかれていると話していたことが発覚。「体罰」をめぐる問題が改めて投げかけられた。読者の声をつなぐ小欄。今回は「体罰」をテーマに、悲劇を繰り返さないために何ができるのかを考えてみたい。
まず、今回の問題を改めて振り返る。
大阪市教委が生徒の自殺を公表したのは今月8日。生徒は自殺前日にも試合中に顧問から何度も平手打ちされ、その後顧問と面談。主将を続けるのが「しんどい」と伝えると、2軍行きを示唆され、続ける意思を示すと顧問は「今後も殴られてもええねんな」との趣旨の発言をしたという。生徒が遺(のこ)した手紙には「同じようなミスをしても、主将だからよりきつく怒られる」と記されていた。
橋下市長は当初、クラブ指導現場での体罰を「あり得る」と容認するような発言をしたが、12日に遺族と面談後「自分の考えが間違っていた」と言明。その後「問題を黙認してきた過去の連続性を断ち切るため」などとして、桜宮高体育系2科の入試中止や教員の総入れ替えを市教委に要請。受け入れられない場合、市長の権限で、入試に必要な予算を含めて支出を認めない考えまで示した。
産経新聞では18日以降、紙面やインターネットサイトを通じて読者の意見を募集。反響は大きく、すでに700件を超え、とりわけ入試中止の是非に関する内容が多かった。小欄で「体罰」そのものを考える前段として、まずはこのテーマについて取り上げたい。
入試中止を求める橋下市長、難色を示す市教委の双方とも「生徒にとって何が最善か」を考えている点では一致している。ただ、「いったん入試を止め、学校の在り方そのものを検討すべきだ」という市長に対し、市教委は、入試目前のこの時期に受験生に与える影響の大きさ、混乱を強く懸念する。
この問題に関し、市教委には18日現在で約500件の意見が寄せられ、うち約7割は橋下市長への反対意見だという。これに対し、本紙に寄せられた意見は、賛否がほぼ拮抗(きっこう)している。
入試中止賛成派の声は、「改善されるまで学校運営の一部を停止するのは当然」(福岡市の31歳会社員)、「私が市長なら学校を解体したいぐらい。徹底的に改革してもらいたい」(大阪府の31歳男性会社役員)といった内容が多い。
一方、反対派からは「在校生、受験生は何ら問題ない」(兵庫県西宮市の男性)とし、「橋下市長の考えはポイントのずれた極論だ」(さいたま市の68歳男性)という指摘が目立つ。罪のない受験生が不利益を被るような方策はおかしい-という意見だ。
市教委が21日午後に開く教育委員会議は、結論を導き出す過程で侃々諤々(かんかんがくがく)の議論となるだろう。小欄ではこのテーマのほか、学校教育法で「違法」と規定される教育現場の体罰の有無や是非、教員の指導の在り方などについて、読者のみなさんとともに幅広く探っていきたい。(か)