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memorandum&curiosity

発想の転換

2006年10月22日 01時21分54秒 | ニュース
ちょっと前に、ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行のムハマド・ユヌス氏がニュースで紹介されていましたが、そのときは、それほど気にならず、ぼ~っとニュースを眺めていた程度だったのを憶えています。

このたび、NHKの特集を見て、驚きました。なんと、無担保で貸し付ける銀行だったことを知りました。
そんなことで、営業していけるのか?とまず、疑問に思いましたが、この銀行の凄いところは、回収率が98%だということです・・・(ほんとうに、凄い)
貸し倒れが2%ってことですよね、ちょっと信じられません。以前に、テレビ番組で、「BRICs」について放送されていた各国の特徴でインドの気質を説明されている際に、インドの方は、非常にまじめで銀行の貸し倒れ率がほとんどゼロと説明されていました。(今回のグラミン銀行は、バングラデッシュの話ですが・・・)将来的に有望な国と紹介されているのを思い出しました。ただし、向上心を抑制してしまうのか、あまりガツガツしていないのが、心配の種とも説明されていました。面白いことに、同じ「BRICs」の中国は、大変上昇志向が強く、言葉は悪いですが、がっついているそうで、そして、インド・バングラデッシュとは逆で貸し倒れ率がかなり高く、それが投資ではブレーキになると、説明していたことを思い出すと、ひょっとしたら、世界で広範囲に営業することは、難しいのかもしれません・・・。

※BRICsとは、「brick」(レンガ)をもじった、ブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、中国(C)、の4カ国の頭文字を並べたもので、台頭する新興国を意味する造語です。

ただ、このグラミン銀行の凄いところは、無担保なのも驚きましたが、貧困層を中心に(特に女性に)小額(日本円で、2,500円程度)からも受け付けているそうで、これは、貧困撲滅に一役どころが10役くらいの働きじゃないでしょうか?単なるお金のバラまきじゃなく、貧困層の独立にも重要なシステムじゃないでしょうか?
そして、私がもっと驚いたのは、この会社、なんと17億円の利益を上げているというところが感動です。

そして、グラミン銀行から借りた資金で、何に使われているのかをみると、大半は、仕事の資金として運用されているようで、このへんは、能力があればなんでもできるという活力を生み出す、よくできたシステムだなぁ・・・と思います。
それとは別に家族の病気を治療するためという使い方をしている債務者もいるわけで、貧困層の現状を思い知らされた部分も目の当たりにしました。

一方、自国に目を向ければ、がんばっている人が報われる社会は大いに賛成ですが、格差拡大には、賛成しかねますね。きれいごとを言うつもりはありませんけど、なんとか知恵を振り絞って、下流社会は無くしてもらいたいと、切に思います・・・