パソコンは、こういうことをしたいと思うと、そのとおりのことをやってくれます。
ソフトウエアの設計者が、ユーザーの願望を見極め、それが叶うように作るからです。
願望は、それを叶えようという意欲のもとになり、良い方向に心を動かします。
ところが、人間が思うことは願望だけではありません。
よくないことまで思いをめぐらす、想定という厄介なことにも頭を働かせます。
嫌なことを考えから遠ざけ、あらかじめの対策を何もしなければ、そのことは想定外ということになります。
あの大災害のとき、「想定外だった」と逃げを打ったつもりの、いけしゃあしゃあとしたいやな顔を、何度も何度もTVで見せられた苦い思いは、8年経ってもまだ頭に残っています。
想定外は知恵足らずの言い換えです。
いやなことが起きないようにという負の願望は、必要な想定の邪魔をし続けます。