視野狭窄という名の障害がある。認知症などと違って、文字どおりだからわかりやすい。
症状がふたとおりあって、縁のほうから視野全体が狭くなる求心狭窄と、視野の一部分が不規則な形で欠けて狭くなる不規則狭窄とがある。
考えてみると、この症状は、起きる場所もふたとおりで、目ん玉に起きる場合と肝っ玉に起きる場合がある。
目ん玉に起きる場合はお医者様によく調べてもらわないと適切な治療法も見つからないが、肝っ玉のほうは、いわば気の持ちようでだいぶ違ってくる。
パソコンの画面に出ている操作ボタンが見つかりにくいことがある。
毎月1回は必ず見ていた表に、月別シートになっているものがある。
そろそろ月末に近いので、来月分を見ようかとシートを送るボタンを探したが、見つからない。
おかしいなと思いながら、まだ数日あるからとその日は表を閉じ、翌日どうかなと開いてみる。
エクセル型の表だからシートの切り替えボタンは下のほうにあるはず。
よく目を凝らしながら視野を下に移していく。あった。
こころなしか切替えボタンの色が変わっているような気がする。前の色を確実に覚えているわけではないから変わっているかどうか確かではない。
これは多分視野狭窄、それも目ん玉より肝っ玉のほう、表のデザインが少し変わったような気がして、気持ちが揺れたと言っては大げさだが、目の下こにあるものが目に入らなかったのだろう。
と、自我自診をこころみたものの、実のところは怪しい。
明日あたり目医者に行くことにしようか。