うっかりユーザのパソコン奮闘記

パソコンを使っていて感じたあんなこと、こんなこと、気ままに書いていきます。

操作の基準

2011年03月17日 | 忘れかけていたこと

むかし、パソコンの電源スイッチに、下向きに動かせば「入」というおかしなものがあった。当時は開発途上の特殊分野だったので、そんなこともあるかと思っていた。

むかしのメル友、いまブロ友の記事に、電気の契約アンペアを変えたら、ブレーカーの入切操作方向の違うのがついたという話があった。

新しくついたブレーカーは、レバーを下から上に動かすと「入」になり、前のブレーカーは、レバーを上から下に動かすと「入」になっていたそうである。

これは驚き、スイッチ類の操作方向は、「JIS C 0447:1997 マンマシンインタフェース ― 操作の基準」に準拠して作られ、逆のものなどあるはずはないのだが。

念のため規格を確かめておこうと、JIS のページを開いたら、これまた驚きで、工業標準化法に基づいて決められた日本の国家標準である JIS が、金を払ってダウンロードしないとネット上では閲覧できないようになっているのである。

紙に印刷されたものを見なければならなかった時代ならやむをえなかったものの、法律文もネットで確かめられるようになり、六法全書など無用になったいまの時代に、日本規格協会や図書館にわざわざ出かけていかなければ、ちょっと見るだけもできないとは、ずいぶん遅れた話ではないか。

公的文書の開示は本来税で賄われるものである。太平洋戦争直後に、工業生産復興の必要性から、規格書の配布も有料会員制で行わなければならない時期もあって、この協会が設立されたものと認識している。

規格書の販売収入が協会の台所を支えているのはわかるが、商品生産のためでない知識情報の入手には、それを無償で行わせるぐらいのことをなぜしないのだろうか。

標準規格の普及のために企画書を印刷出版し販売するという事業が、販売収入を得ることを協会存続の前提条件に据えてしまったという、妙なところでの逆転発想が、こういう珍奇な状況から抜け出せない要因になっているのかもしれない。

逆転といえば、ブロ友さんの旧ブレーカで、縦の操作方向が通常と反対だったのは、上下逆転して取り付けられていた以外に理由が考え付かないのである。