海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

いつまで続くか、沖縄への基地押しつけという構造的差別。

2018-04-06 23:53:34 | 米軍・自衛隊・基地問題

 6日(金)は朝、カヌー8艇で松田ぬ浜を出発した。抗議船2隻と合流し、この日もK3護岸の捨て石投下に抗議した。

 辺野古の海では今日も海保に守られ、護岸工事が進められた。耳障りな音を響かせて砕石が投下され、水しぶきが上がる。白い粉塵が上がり、まわりの海は白濁している。どれだけの生き物が石に押し潰されていることか。辺野古の海は貝類も豊富だ。それが生息環境もろとも圧殺されている。

 K4護岸では午前9時過ぎに先端部でダイバー数人が作業をしていたが、具体的に何をしていたかは分からなかった。

 仮設道路のK1護岸側は、稀少サンゴの移植が進まないため、まだ伸ばす作業が止まったままだ。この3日ほどは路面を整備する作業が行われている。

 辺野古岬では文化財の発掘調査の埋め戻しが終わり、表面に細かい砂利が敷き詰められていた。先端部は緑色に染まり、種子の吹き付けが行われていた。新たな護岸工事に向けて準備が進められている。

 辺野古岬付近の作業ヤードには、連日ゲートから運び込まれている砕石がいくつも山を作っている。クレーンのブームが林立し、目を背けたい光景だが、この現実を直視しないといけない。辺野古新基地建設を止めるために、自分には何ができるのか、考えて行動したい。

 この石が海に投下され、辺野古の海の生物を生き埋めにしていく。最近はウミガメの姿もよく目にする。しかし、昨年産卵が行われた砂浜は大半が護岸や仮設道路で近づけなくなっている。

 新基地が完成すれば、米軍と自衛隊が共同使用して、破壊と殺戮のために利用される。一人でも多くの人が、この石を搬入、投入させないためにゲート前と海に来てほしい。

 カヌーチームは今日もオイルフェンスを越え、砕石の投下を止めようと抗議を続けた。今週は辺野古のリーフ内も波の荒い日が続いているが、しだいに風が強まり、午後からは雨の予報だったので、午前11時頃に海上行動を切り上げた。

 キャンプ・シュワブ内の砂浜に水陸両用車が出て訓練を行っていた。海に出た1両がエンジントラブルを起こしたらしく、仲間の車両にロープで曳航されて浜に戻っていた。

 これまでも何度か目にした光景だが、車体の老朽化や整備不良の問題は海でも同じだ。米軍が起こす事故に巻き込まれて被害を受けるのは沖縄県民であり、こういう光景も米軍の質の低下を示すものとして注意しなければならない。

 海上行動が早めに終わったので、お昼頃に行われた2回目の資材搬入対するゲート前の抗議行動に参加した。すでに座り込みは排除されていたが、パトカーが先導してきた工事車両の後ろには一般車両が並んでいる。

 何百台という工事車両を集中してゲートから入れれば、渋滞が発生するのは当たり前だ。沖縄県警も渋滞の解消どころか、それに手を貸しているのだ。こういう状況を生じさせている責任は、日本政府と沖縄防衛局にある。

 陸では機動隊に、海には海保に守られなければ工事ができない。それ自体が異常であり、沖縄の民意を安倍政権が踏みにじっている証拠である。

 パトカーで先導しておきながら、明らかに過積載の車両に対して、沖縄県警は見て見ぬふりだ。こうやって辺野古では違法工事、違法車両がまかり通っている。

 工事車両の出入りが長時間にわたるため、座り込みを強制排除されたあとの市民の抗議も長くなる。排気ガスを吸わされながら、今日も3度の資材搬入に座抗議が続けられている。1日に1時間でも、週に1日でもいいから、辺野古に行って行動しようではないか。この工事は人が集まれば止められのだ。 

 3月31日に元沖縄大学学長の新崎盛暉さんが亡くなった。昨年の大田昌秀さんに続き、戦後の沖縄の思想、平和運動に大きな影響を与えた人が去っていくのは残念なことだ。辺野古新基地建設の強行は沖縄への構造的差別を象徴するものだ。それを阻止するために新崎さんの仕事は今後も生かされていくだろうし、さらに大きく深く広がっていくだろう。

 


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