海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

米朝会談の日にも辺野古では新基地建設工事を強行。

2018-06-12 23:58:06 | 米軍・自衛隊・基地問題

 12日(火)はキャンプ・シュワブのゲート前に行き、2回目と3回目の資材搬入に抗議する座り込みに参加した。2回目のゲート前集会では、韓国・済州島で平和運動に取り組んでいるメンバーも参加して、代表があいさつをした。そのさなかに生コンのミキサー車がやってきて、ゲートの奥から機動隊が出てきた。

 

https://www.youtube.com/watch?v=_CPqGrkQfmE&feature=youtu.be

 陸では機動隊が、海では海保が抗議する市民を強制排除し、米軍基地建設を支えている。今日は座り込む人数が少なく、いつもより早くゲートが開けられたが、厳しい条件下でも市民の抵抗が続いた。

 基地の中には米軍車両と機動隊車両が並んで駐車していた。沖縄県警は米軍から給料をもらっているわけでもないだろうに、県民ではなく米軍に奉仕する組織に成り下がっている。米国の属国のような日本、沖縄の情けない風景だ。

 この日はシンガポールで米朝の首脳会談が開かれた。沖縄の米軍基地の必要性として、1980年代まではソ連の脅威が強調された。ソ連が崩壊すると、北朝鮮や中国の脅威が煽られたのだが、朝鮮戦争が休戦から終戦に向かい、朝鮮半島の危機が軽減されるなら、当然在沖米軍基地の見直しも進められなければならない。

 しかし、安倍政権にはそういう意思など見られない。それどころか腹の底では米朝関係が破綻し、危機が続くのを願っているかのようにさえ見える。防衛省の官僚や軍需産業、ゼネコン、それに寄生する族議員にとっては、外部に脅威がなければならない。辺野古では今日も新基地建設が強行されているが、基地利権に群がる者たちには東アジアの平和、安定など忌まわしいものなのだろう。

 この日は過積載車両が目立った。 例によって警察は見て見ぬふりだ。こうやって運び込まれた大量の石が、日々辺野古の海を破壊している。

 午後2時20分頃、辺野古の海の様子を見に行くと、K4護岸では3か所とも捨て石の投下が行われていた。また、仮設道路では根固め用袋材を設置し、道路を伸ばす作業が進められていた。ゲートから運び込まれた砕石が、こうやって辺野古の海を殺していく。

 沖縄防衛局が8月17日に埋め立ての土砂投入を行うと打ち出した。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-737104.html

 当然、その前にはK4護岸とN3護岸がつながり、辺野古岬南東側の海が囲い込まれている。工事はここまで進展している。カヌーや船で海に出ているメンバーは、この現実をずっと見てきて対策を訴えてきた。しかし、海に出てきてその状況を自分の目で確かめた政治家、県当局や労組、市民団体の幹部、知識人がどれだけいただろうか。

 県民投票の署名集めが終わる頃には、K4護岸とN3護岸はつながっているかもしれない。この現実から目をそむけて、いったいどこに力を注いでいるのだろうか。基地引き取り論を主張している高橋哲哉は何をしているのだろうか。政府の狙い通りに工事を進めさせないために力を尽くさなければならない。

 海でもゲート前でも、少しでも工事の進行を止めようと、市民の必死の抵抗が続けられている。ぜひその輪に加わってほしい。護岸の囲い込みと8月17日の埋め立て土砂投入を許してはならない。 


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