海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

琉球セメント新桟橋でガット船2隻の土砂積み込みに抗議

2020-07-21 23:26:32 | 米軍・自衛隊・基地問題

 ホウオウボクが咲き、夏雲が湧いて、沖縄は今日も暑い1日だった。21日(火)は朝、カヌー7艇を名護市安和の琉球セメント新桟橋に運び、ゴムボート・ハクイとともにガット船への土砂積み込みに海上から抗議した。

 波は穏やかだったが、暑さが厳しいので、熱中症に気をつけながらの行動となった。午前中は清明、午後はmarumasa1号と2隻のガット船に連続して抗議したが、合わせて2時間は出航を遅らせたはずだ。

 2時間あれば、marumasa1号なら楽に積み込みができる。7艇のカヌーでガット船1隻を止めたことになる。手漕ぎのカヌーは非力だが、どこで、何を、どうすれば、最も効果を出せるか。そのことをいつも考えている。

 人に与えられた時間は限りがある。辺野古新基地建設に反対し、ゲート前や海上で行動するということは、その時間でできた別のことを犠牲にするということだ。やりたいこと、やらねばならないことをいくつも犠牲にしているのだから、少しでも成果を出したい、というのは誰もが思うことだ。

 ただ、その思いを形にするのは簡単ではない。現実には努力が報われずに悔しい思いを味わうことの方が多い。それでも、日々行動に参加している一人ひとりの努力の積み重ねが、工事の進行に影響を与えているのは事実だ。

 辺野古に戻って片づけがあるので、午後4時13分頃に安和を後にした。琉球セメント新桟橋の出入り口では、土砂を運び込むダンプカーへの抗議が続いていた。今日も午後8時まで残業が行われたのだろう。厳しい行動を続けている皆さんに申し訳ない思いを抱えつつ、辺野古に向かった。

 辺野古に戻ってカヌーを片付けたあと、午後5時16分頃に豊原の高台から辺野古側埋め立て工区の様子を見た。5時を過ぎたが残業が行われていた。K8護岸に接岸したランプウェイ台船から土砂が運ばれ、②工区の3か所で土砂が投入されていた。

 K2・K3護岸上に建設が進められているL字型擁壁は、一部が完成して姿を見せている。いずれ隙間も埋められて護岸上に高波を防ぐ壁ができる。

 軟弱地盤や設計変更に関心を持つのはいいが、いま目の前で進行している工事を止める力がなければ、先の工事もどうして止められようか。

 午後5時40分頃、瀬嵩の海岸から大浦湾の様子を見た。K8護岸と並行してK9護岸でも土砂の陸揚げが行われていた。

 ガット船は3隻(第八高砂丸、marumasa2号、聖嘉)が停泊していた。聖嘉は土砂の積み替えを行ったばかりだった。猛暑の中、現場の作業員は残業続きで過酷な労働を強いられている。沖縄防衛局は現場の作業員の健康を考慮しているのか。

 読谷村で小学生が新型コロナウイルスに感染した。21日のNHK沖縄の報道によれば、〈この小学生が親戚の集まりに参加していた際、アメリカ軍基地の関係者が同席していた〉という。米軍関係者の集団感染が、沖縄の子どもたちにまで感染を広げている可能性があるのだ。

 沖縄県民はこの事態にもっと怒りを行動で示さないといけない。感染していなくても、基地従業員の子どもたちが休みを強いられている事例もある。学校は夏休みに入っているが、子どもたちにまで感染が広がる異常事態をもたらした米軍基地をすべて封鎖し、辺野古新基地建設も中止すべきだ。

 今のままでは高齢者にも感染が広がり、重症化する人が出てくる。沖縄島北部や離島など医療態勢が貧弱な地域で感染者が続出すればどうなるか。地方の高齢者は感染の不安におびえている。東京中心のメディアはこの事実をもっと伝えるべきだ。


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