海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

やんばるの森に響く銃声と徳田球一資料展

2013-03-15 13:45:20 | 米軍・自衛隊・基地問題

 13日(水)に高江に行くと、メインゲート西側の森で米軍が発煙筒を炊き、戦闘訓練を行っていた。新緑のやんばるの森に黄色い煙が流れ、米兵の叫び声や小銃、機関銃の連射音が響いていた。メインゲート近くのテントからは谷を一つ隔てただけで、米兵の姿は木々に隠されて見えないが、ジャングル訓練が目の前で繰り広げられていた。

 キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブ、北部訓練場と続く沖縄島北部の米軍基地では、都市型戦闘訓練、強襲上陸訓練、ゲリラ戦・サバイバル訓練、オスプレイやヘリの飛行訓練など、米海兵隊が行う多様な戦闘に対応した訓練が行われている。そうやって沖縄で鍛えられた兵士たちが、ベトナムやアフガニスタン、イラクなどへ派兵され、殺戮と破壊を繰り返してきた。沖縄が「悪魔の島」と呼ばれる所以である。

 沖縄の反戦・反基地運動は、米軍が起こす事件・事故の被害者になることへの拒否・抗議であると同時に、米軍の訓練、存在を黙認することで加担者となること、加害者の側に立たされることへの拒否・抗議でもあった。ベトナム戦争の最中、米軍基地で働いている労働者の中にも、沖縄戦を体験した自らが、米軍のベトナム攻撃を支えていることに葛藤を覚え、悩み苦しんだ人たちがいた。

 名護市立中央図書館で3月1日(金)から17日(日)まで「徳田球一資料展」が開かれている。徳田は1894年に名護で生まれている。地階の小さな展示室だが、徳田の写真や直筆の書、追悼集会の資料、デスマスクなどが展示されている。侵略戦争への抵抗と拒否の歴史を知るためにも、週末北部に行かれる方は寄ってみてください。

 

 

 


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