海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

3月27日の高江の様子

2014-03-27 22:08:42 | 米軍・自衛隊・基地問題

 27日の高江は丸政工務店の大型ダンプカーやユニック車、レンタルした大型クレーン車が北部訓練場に入り、プレハブの現場事務所の解体、撤去作業が進められた。

 北部訓練場では陸上での訓練は行われていないようだったが、空ではMH60ヘリコプターが飛行訓練を行っていた。621という機体番号が確認でき、米海軍厚木基地所属のヘリのようだ。17日には614番機が誤ってN4-1ヘリパッドに着陸している。この日はメインゲートからかなり離れた北側のヘリパッドに着陸していた。N4上空も飛行していたが、さすがに着陸はしていない。

 午後からはN4-2ヘリパッド建設工事で発生した残土の問題をめぐり、沖縄県環境保全課による現場の立ち入り調査が行われた。環境保全課によれば、残土は370m³ 発生し、本来の仮置き場に240m³を敷き均し、残りの130m³は80メートルほど離れた場所にブルーシ-トをかぶせて保管してあるという。ノグチゲラの営巣期間が終わった7月以降に同場所に敷き均し、芝生を貼って処理するとのこと。

 県環境保全課はそれで良しとしているようだ。しかし、敷き均すといえば聞こえはいいが、本来は出る予定ではなかった赤土を基地内に廃棄し、表面を芝生で覆って流出防止したということではないか。体のいい隠蔽工作としか思えない。今回はていねいな監視活動によって残土の発生が明らかとなったため、環境保全課の立ち入り調査が行われ、残土の処理方法も明らかとなった。だが、他の基地内工事ではどうなのか。同じような形で予定外の残土を基地内で処理(隠蔽)している例はないのか。そういう懸念を抱かざるを得ない。

 沖縄防衛局の富永健・調達部総括建設監督官は、N4-2ヘリパッドの近くに積まれている伐採木について、処理方法は未定と答えていた。しかし、6月いっぱいはノグチゲラの営巣期間のため音の出る工事はできない。富永監督官は「音が出ない作業」を土木工事に限定したかったようだが、丸政工務店は芝生の搬入も一輪車で行い、ユニック車の使用も控えている。沖縄防衛局がバックホー、チエンソー、ユニック車などの使用を許可することはあってはならないはずだ。伐採木に7月まで手をつけることは許されない。

 27日の立ち入り調査では、ヘリパッドに通じる道路の上層路盤が7メートルにわたり敷かれていないことも明らかとなっている。また、希少生物の侵入防止柵も手つかずのままとなっている。上記の残土や伐採木の未処理も加えて、N4-2ヘリパッドはやり残した作業があり、とうてい完成したとは言えない状態である。接地帯ができたから完成、と沖縄防衛局が打ち出すなら、それはまったくまやかしである。実際、接地帯の芝生も3月に入って貼り付けたばかりであり、まだ活着していないことは丸政工務店も認めている。

 N4に建設された二つのヘリパッドは、1996年12月の沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告に基づき、北部訓練場の過半の返還を条件に建設された代替施設だ。返還作業がまったく進んでいないのに、代替施設だけを先にできたから米軍に提供し、使用させるということは許されない。そもそも沖縄戦から69年になるにもかかわらず、基地返還に代替施設の建設という条件を付けること自体がおかしい。

 沖縄防衛局は、N4-2ヘリパッドの3月完成を打ち出し、建設現場から作業員がいなくなったので、N4-1ヘリパッドの先行供用を実施したいだろう。それを許してはならない。高江ではN4ヘリパッドを米軍に供用・使用させない新たな取り組みが始まっている。引き続き多くの支援をお願いしたい。

 


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