〈政府にシュワブ陸上案浮上 普天間移設、米に非公式打診〉という記事が2月19日付朝日新聞電子版に載っている。
http://www.asahi.com/politics/update/0218/TKY201002180520.html
〈国民新党は滑走路の長さを1500メートルとしているが、環境アセスメントが必要になるため、規模を抑えた。暫定的に500メートルの滑走路を造り、必要に応じて延長する〉
米軍は普天間基地に配備されているCH46型ヘリ、CH53型ヘリの後継機としてMV22-オスプレイの配備を明らかにしているのだから、〈必要に応じて〉1500メートルまで〈延長する〉のは織り込み済みのことであり、滑走路を500メートルにするという民主党のキャンプ・シュワブ陸上案は、環境アセスメント逃れと県民の目を欺くことを狙ったものだ。
北沢俊美防衛相が国民新党の下地幹郎議員に、17日の与党検討委員会で国民新党からキャンプ・シュワブ陸上案を提案するように働き掛けていた(2月15日付琉球新報)ことからすると、最初に国民新党から1500メートル案を出させ、それに対する反発が住民から起こったあと、500メートルに縮小した案を民主党から出して、譲歩したかのように見せかけて懐柔するつもりだったのではないか、とさえ思えてくる。
その北沢防衛相だが、キャンプ・シュワブ陸上案について次のような発言をしている。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-157838-storytopic-3.html
土地を奪われている以外は住民の直接的な被害があったわけではない楚辺通信所(象の檻)と爆音被害や墜落事故の危険にさらされている普天間基地を同列に並べて、〈(既存の)基地の中に移転するわけだから〉〈そんな大きな反対運動は起こら〉ないと本気で考えているとしたら、北沢防衛相はよほど頭が悪いとしか言いようがない。この程度の判断力しかない人物が防衛大臣になっていること自体が危険だろう。
沖縄防衛局は東村高江区のヘリパッド建設に向けてフェンスの設置作業を始めている。座り込みで反対の意思を示す住民を通行妨害で訴え、さらにフェンスを設置して住民を排除し工事を強行する。それと同じやり方で民主党はキャンプ・シュワブ陸上部に滑走路を建設するつもりなのか。
「最低でも県外」といった公約を投げ捨て、地元名護市の稲嶺市長が反対の意思を明確にしていることも無視して、鳩山首相や北沢防衛相はキャンプ・シュワブ陸上部に「移設」ができると思っているのか。その認識の甘さと名護市民・沖縄県民をなめているとしか思えない姿勢は、沖縄の反発をより強め、〈大きな反対運動〉を起こすだけだ。
それにしてもだ。名護市長選挙からまだ一カ月も経っていない。稲嶺氏が当選して、これで13年余の分断と対立の苦しみが終わる、と市民は涙を流して喜んでいた。喜びにわく辺野古の久辺三区合同事務所の様子は、このブログでも紹介した。あの時の様子を思い出すと、下地議員や北沢防衛相のキャンプ・シュワブ陸上案をめぐる発言には怒りがこみ上げる。民主党も国民新党も名護市長選挙で稲嶺氏を推薦したのだ。あれは県連が勝手にやったことで、中央は関係ない、とでも言うつもりだろうか。
平野博文官房長官が昨日19日に来沖している。今日は上空からキャンプ・シュワブ陸上部を視察するという。伊江島補助飛行場や下地島空港を上空から視察したこともあったが、平野官房長官はよほど上から沖縄を見下ろすのが好きらしい。あるいは地上から視察すると、反対派の住民に取り囲まれるかもしれない、と恐れているのだろうか。
名護は久しぶりに青空が出ている。キャンプ・シュワブ内の森も新緑が出始めているだろう。海と同じようにヤンバルの森も貴重な自然なのであり、基地建設のためにそれを破壊することは許されない。
http://www.asahi.com/politics/update/0218/TKY201002180520.html
〈国民新党は滑走路の長さを1500メートルとしているが、環境アセスメントが必要になるため、規模を抑えた。暫定的に500メートルの滑走路を造り、必要に応じて延長する〉
米軍は普天間基地に配備されているCH46型ヘリ、CH53型ヘリの後継機としてMV22-オスプレイの配備を明らかにしているのだから、〈必要に応じて〉1500メートルまで〈延長する〉のは織り込み済みのことであり、滑走路を500メートルにするという民主党のキャンプ・シュワブ陸上案は、環境アセスメント逃れと県民の目を欺くことを狙ったものだ。
北沢俊美防衛相が国民新党の下地幹郎議員に、17日の与党検討委員会で国民新党からキャンプ・シュワブ陸上案を提案するように働き掛けていた(2月15日付琉球新報)ことからすると、最初に国民新党から1500メートル案を出させ、それに対する反発が住民から起こったあと、500メートルに縮小した案を民主党から出して、譲歩したかのように見せかけて懐柔するつもりだったのではないか、とさえ思えてくる。
その北沢防衛相だが、キャンプ・シュワブ陸上案について次のような発言をしている。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-157838-storytopic-3.html
土地を奪われている以外は住民の直接的な被害があったわけではない楚辺通信所(象の檻)と爆音被害や墜落事故の危険にさらされている普天間基地を同列に並べて、〈(既存の)基地の中に移転するわけだから〉〈そんな大きな反対運動は起こら〉ないと本気で考えているとしたら、北沢防衛相はよほど頭が悪いとしか言いようがない。この程度の判断力しかない人物が防衛大臣になっていること自体が危険だろう。
沖縄防衛局は東村高江区のヘリパッド建設に向けてフェンスの設置作業を始めている。座り込みで反対の意思を示す住民を通行妨害で訴え、さらにフェンスを設置して住民を排除し工事を強行する。それと同じやり方で民主党はキャンプ・シュワブ陸上部に滑走路を建設するつもりなのか。
「最低でも県外」といった公約を投げ捨て、地元名護市の稲嶺市長が反対の意思を明確にしていることも無視して、鳩山首相や北沢防衛相はキャンプ・シュワブ陸上部に「移設」ができると思っているのか。その認識の甘さと名護市民・沖縄県民をなめているとしか思えない姿勢は、沖縄の反発をより強め、〈大きな反対運動〉を起こすだけだ。
それにしてもだ。名護市長選挙からまだ一カ月も経っていない。稲嶺氏が当選して、これで13年余の分断と対立の苦しみが終わる、と市民は涙を流して喜んでいた。喜びにわく辺野古の久辺三区合同事務所の様子は、このブログでも紹介した。あの時の様子を思い出すと、下地議員や北沢防衛相のキャンプ・シュワブ陸上案をめぐる発言には怒りがこみ上げる。民主党も国民新党も名護市長選挙で稲嶺氏を推薦したのだ。あれは県連が勝手にやったことで、中央は関係ない、とでも言うつもりだろうか。
平野博文官房長官が昨日19日に来沖している。今日は上空からキャンプ・シュワブ陸上部を視察するという。伊江島補助飛行場や下地島空港を上空から視察したこともあったが、平野官房長官はよほど上から沖縄を見下ろすのが好きらしい。あるいは地上から視察すると、反対派の住民に取り囲まれるかもしれない、と恐れているのだろうか。
名護は久しぶりに青空が出ている。キャンプ・シュワブ内の森も新緑が出始めているだろう。海と同じようにヤンバルの森も貴重な自然なのであり、基地建設のためにそれを破壊することは許されない。