ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

Chez Maty Et Sokhna (Keur Sokhna)

2022-12-18 05:05:51 | 食事
Chez Maty Et Sokhna (Keur Sokhna)とは、筆者が2022年のマンハッタン探訪の3日目の夜に訪ねたアフリカ食堂である。どう発音するのかわからないため仕方なくアルファベット表記にしている。前回の記事にて気が付いたとおり、ハーレム地区に点在するアフリカ郷土料理は主に奴隷時代の後に米国へ移り住んだ人々の文化であり、ハーレム古来の文化を味わうにはやや的外れである。やはりソウル・フードが相応しいのだろうが、ソウル・フードはニューオリンズで既に一応体験済みなので魅力が少なく、再度ローカルアフリカンレストランへ来てしまったのだ。ハーレムの雰囲気に慣れてきたため、足取りは軽い。


この食堂の詳細は以下の通りだ、参考にしてもらいたい。



①立地
Chez Maty Et Sokhna (Keur Sokhna)は、セントラルハーレムをアダム・C・パウエル通り沿いに6、7ブロック北上したところにある。この付近は4~5階ほどの高さの四角くて茶色い住居ビルが並び、通りに面した1階には食堂や小さなグローサリーストアなどが入っている。観光客風の人は歩いておらず、ローカルな雰囲気があって、ストリートファッション風の黒人男性が座っていたり、立ち話をしている。そんなファイナルファイトな雰囲気にはやはり慣れないので、彼らとはなるべく目を合わせないようにして歩く。



②中に入る
Chez Maty Et Sokhna (Keur Sokhna)の店内は奥行きがあり、手前側が客席になっている。中央付近のモニター下の卓では4,5人の屈強な若者黒人がいた。そのモニターには大御所風の黒人シンガーが、アフリカのどこかの宮殿のような場所をバックに体をくねらせながら歌っている。曲調は米国R&Bというよりはアフロ・ミュージックだ。木目調の内装やアフリカ風の置物で割とお洒落な雰囲気を出そうとしているのは見て取れたが、使用していない冷蔵棚に乳母車が雑然と放り置かれていたり、食事を詰まらせた人の救助法を表示したポスターがやけに古びていて怖かったりと、残念な部分も多い。



③注文する
奥のカウンターにはお尻の小さいアフロヘアの黒人美人店員がおり、大御所風の黒人シンガーのBGMに合わせて口ずさんでいる。筆者は過去にDMVなどで、黒人女性に非道く高圧的な態度で接されて傷ついた経験があるため怖気ついた。メニューを見つつマゴマゴしていると、たいていの黒人女性店員はあからさまにイライラした態度を見せつける。そうすると筆者の脇はみるみるうちに湿り気を帯びるのだ。だが、実はこんなこともあろうと予めウェブサイトでメニューを確認し、注文する品を決めておいたのだ。 “サカ・サカとフライドチキンを頼むよ”そう知った風に注文するも、『え!貴方、サカ・サカを知っているの!?』なっどという暖かいリアクションなどはなく、冷めた表情で『20分後にできるわよ』と言われる。待っている間に厨房の奥を覗いていたらば、やはり給食当番の恰好をした大きな黒人女性がのっしのっしと言ったり来たりしている。尚、酒類の販売はないようなのでテイクアウトで注文する。




④サカ・サカ
店のメニューではサカ・サカは、“ラム肉と魚とオクラが入った芋の葉っぱのシチュー”と説明されている(ちなみに米国の食事メニューはたいてい“魚(fish)”とだけ表記され、魚種(鱈なのか鯰なのか)が不明なことは多い)。持ち帰ってアルミの容器を開けてみれば見た目は緑色のシチューである。ラム肉や魚は細切れにされていて、トロトロのスープのような状態になっている。これがたいそう美味だ。脂っこさのないあっさりとした塩味で、それでいて細切れのラム肉・魚(たぶんティラピア)の風味がよく効いて嬉しい臭みがある。オクラのトロトロの食感が嬉しく、白米とも相性がよくどんどん口の中に放り込んでしまう。赤いワインと共にいただくのがよいようだ。『サカ・サカ美味い』と思って調べると、もともとはコンゴ共和国発祥の、キャッサバの葉のシチューということらしい。



Chez Maty Et Sokhna (Keur Sokhna)のサカ・サカは“芋(何芋かは不明)の葉のシチュー”と表記され、キャッサバの葉のシチューはMborokheという名の別の商品がある。Chez Maty Et Sokhna (Keur Sokhna)はどうもセネガルの郷土料理のようで、国によって様々なサカ・サカがあるようだ。筆者はセネガル料理との出会いに感謝を覚え、満足なマンハッタン探訪最後の夜を孤独に過ごした。これからもいろんなサカ・サカを食べてみたい。渡辺徹が亡くなる二日前のことである。

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