あすきなまこブログ

七宝焼を焼いています。

万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん

2009-08-23 00:16:40 | アート・クラフト
今日は、倉敷の大原美術館に行ってきました。

息子の夏休みの美術の宿題で、美術館に行ってお気に入りの一枚を見つけてレポートする…っていうのがあって。彼は、この前一応、お友達といっしょに見てきたのですが、うまくメモが取れなかった…とのことで、こりゃもういっぺん行かないと、宿題できないだろうな…と。娘と、おばあちゃんもいっしょに行きました。

久しぶりの大原美術館でした。以前と絵の配置も変わっていたし、なんか新しい建物も建て増ししたのかな…。チルドレンアートミュージアムとかいう企画をやってたみたいで、お子さんが多かったなあ。

二階のドアのある壁の上の方一面に、バーンと飾られていたのが、「万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん」という、にんげんがびっしり描かれた大作でした。死んでる人間びっしりと、生きてる人間びっしり。かみさまの絵も描かれていました。…大原美術館には、何度も来たはずなのに、わたし、この絵見るのはじめてかも…。作者は、レオン・フレデリック。うーん、よく描いたなあ…という印象…。


ところで、息子が選んだ一枚の絵は「花」という、窓辺の紫陽花の鉢植えと、窓の向こうに見える緑深い庭の風景の絵でした。彼が言うには、落ち着いた感じがして、いいなと思ったとのこと…。あ、わたしもそれ、いいなって思っていたんだよね。一枚、絵葉書を買って帰りました。

んで、家に帰ってちょっとネットで調べたら、その「花」の作者と「万有は…」の作者同じだったので、びっくりしました。

画家は、すげえ大作を何年もかけて描いた後、ちょっと身近なもの描きたいな…っ思ったのかなあ…と想像したり。しかし、紫陽花も緻密なタッチでした…。光に透けた葉も描かれていたり…。
そっと傍に置いておきたいような絵なんですよね。そゆのもいいよね…。

万有は死に帰す、しかし神の愛は万有をして蘇らしめん

あ、やっぱ一応、いちばん有名であろう、エル・グレコの「受胎告知」の感想も。本館からつづく新しい廊下をとことこ歩いたら、「受胎告知」のための部屋がありました。昔は本館の一階にあったような記憶があるのですが…。
すごく久しぶりに見ました。あれ、鳩なんかいたっけ…天使は白百合持ってたっけ…純潔の象徴かな…と、なんだか今回、初めて目に入ったものがありました。いったい、若き日のわたしは何を見ていたのでしょう…。(多分、当時、そばにあったルノアールあたりと見比べて、暗い色彩だよなあ…みたいなこと考えてたんだろうな。やっぱり、黒を使っているからかなあ…とか。)
あ、でも、マリアさんの衣の色は昔から好き。

でも、やっぱり生の絵はいいですね。画家が、その手で、この線を描いたのかな、この色を塗ったのかな…みたいな、そういう息遣いみたいなものが少しわかる年齢になりました…。(あ、普通の人はもっと早くわかるのかもしれないけれど、なんせわたし、物心つくのが遅いんですよ…)

あと、版画では、ムンクの「吸血鬼」とかもあったよ。小学生が、模写をしようとしていたが…よりにもよって、きみ、ムンクを描くのか…?元気そうな日に焼けた小学生だったが、にんげんっていろいろなのね。なんか心惹かれたのかな。