風のささやき 俳句のblog

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夜の目 【詩】

2021年05月13日 | 

「夜の目」

夜は幾千もの
目を持っている

その沢山の目の前では
心の深みまで晒される
暗がりは裸でいる恥ずかしさ
隠してくれる

素直になればいいと
見通す夜の目
不安や後悔に混ざって
砂金のように輝く
愛してくれた人の面影

出て来る言葉は素直で
膨らんでいく
今さらながらのありがとう

人を大切に思うこと
心を砕くこと
それは誰かの心に
いつの間に忍び込んでいる

僕も誰かの砂金になって
誰かの心に
沈み込むことがあるのかしら
いつの日にか
誰かを愛しく思って

胸が波打つ
闇も波打ち
沢山の目はやがて
温かな毛布のように
僕を包んでいた



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