風のささやき 俳句のblog

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風を追い鳥居くぐれば四葩かな 【季語:四葩】

2016年06月05日 | 俳句:夏 植物

爽やかな風の午後でした
散歩をしていた僕は
風を追うように
初めの道を歩きました

やがて石段の上に
鳥居が見えたので
石段を登ることにしました

鳥居を潜ると両側には
思いもかけぬ紫陽花の群れ
人気も無かったので
その花をゆっくりと堪能しました

きっとそこは
風だけが知っていた
とっておきの場所だったのでしょう


ひまわりも昼寝のままに無人駅 【季語:ひまわり】

2015年07月26日 | 俳句:夏 植物
とある地方に電車で遊びに行きました
電車を乗り継ぐために
降り立った場所は小さな無人の駅でした
時刻表をみると
乗り継ぎまではまだしばらく
時間のある様子

たまには何も考えずに
こんな時間を過ごすのもいいかなと
日陰になったベンチで考えていると

レールの向こう側では
お昼のひと時に
うたた寝をするように
ひまわりが風に揺られていて
のどかな無人駅の様子を伝えていました

空き区画独り占めしたひめじょおん 【季語:ひめじゅおん】

2015年05月09日 | 俳句:夏 植物
子供を連れて散歩をしていました
ドラッグストアで買物をして
いつもは通らない道を
乳母車を押しながら歩きました

その道は住宅街の中を縫う道
随分と立派な家も多く
その度ごとに足を止めて眺めていました

そんな住宅街の一画に
何も無い空き地がありました
いつからその状態だったのでしょうか
草が伸び放題に伸びています
中でも目立つのが
たくさんのひめじょおん

その土地を独り占めして
誇らしげに見えました

手に昼の熱を語るは庭の枇杷 【季語:枇杷】

2014年06月21日 | 俳句:夏 植物

夕暮れどき
とある家の庭に
枇杷がたくさん実をつけていました

良い色になっているのですが
一つ一つの実は随分と小さく
まだ食べるには適してはいないのか
ほったらかしにされている様子

手の届くところにあった
びわの実に触れると
一つ一つの実が
昼間の熱を手に伝えました

こんな小さな実にも
まだ熱がこもっていることが不思議に思えて
その実にしばらく触れていました