大荒川林道に入ろうと思っていたが、藪が酷く、分岐であきらめ、ここから入渓することにした。
いつもなら、ヤブに突入前はしばらくグズグズし、意を決して飛び込むのだが、今回は違った。
身支度を整えて、コンパスを進路に合わせ、躊躇なくヤブに踏み込む。
ヤブは長続きせず、直に沢目が出て、ヤブが薄くなる。
沢の音も聞こえ出すが、急斜面で慎重に降りる。
アンド沢は流域が狭い割りに、流量が多い。
っと、ここで昼食と水を車に忘れたのに気付く。
出発前にグズグズしなかったのが災いしたようだ。
いまさら戻るわけにも行かず、このまま進むことにする。
直ぐに点線道路の合流点に着く。
帰りのコースになる可能性があるので、コンパスで慎重に方向を確認し、50mほど上流まで偵察する。
ヒバ林のすっきりした沢で、歩く価値はありそうだ。
コルーゲート管やトロッコレールのひん曲がった残骸が残っているところを見ると、点線道路はかつてのトロッコ道か。
左岸の所々に石積みの護岸が現れ、ますますその様に感じた。
ただの通路なら、護岸まで作る必要はない。
崩れたら、上を通せば良いだけだ。
右岸にも石積み箇所がありトロッコが横断していたようだ。
右岸からの集材・積み込み場所か。
滝が現れた。
高さが約3mほどで小さいが、滑滝で美しい。
(高さ3m程の小滝)
ここから下流は部分的だが、滑床が出てきてほっとする。
縫道沢は予想に反して流量が少ない。
直ぐ下流の滝で合流する沢のほうが立派なような気がする。
下流に進むも、今日は単独で勝手がわからない沢なので、行動は11:30と決めていた。
心惹かれる部分もあるが、引き返すことにする。
(下流は気持ちの良い滑床となった)
滝沢の合流点で、予備食の袋ラーメンを食べる。
沢の音だけで、鳥の鳴き声もしない。
せみの声も聞こえない。
菅江真澄の言う、「山深く荒い山川・・・・」とはこのことか。
山の中にどっぷりと浸かっているようで、なんともいえない気持ちになる。
(GPSログ 後1時間あれば十分に河口までいけたと思うが・・・)