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あるBOX(改)

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リアム・オメンレイの思い出(猿田彦フォーラム)

2018年04月02日 | 洋楽
リアム・オメンレイで思い出すのが、伊勢の猿田彦神社イベント。

「猿田彦フォーラム」という日本神話に出てくる天祖降臨の案内役
猿田彦を研究する集まり(?)がありまして。



猿田彦神社関係者が中心となり「おひらき祭り(ライブ)」なども
催していらしたのですよ。
今でいうキュレーターとして細野晴臣さんも参加。



音楽家を選ぶ基準も細野さんが示してしたのかな?
和あり沖縄調あり、「環太平洋モンゴロイド・ユニット」あり。

私が行ったのは、2000年9月下旬。



そこにアイリッシュ音楽家の誉れ高きリアム・オメンレイがグループ
率いて参加と相成ったからです。

八百万神ありの我が国に対し、自然に精霊ありのアイルランドは
スピリチュアルな共通点あり。



リアムの参加に心躍る私は、東京から新幹線で名古屋~近鉄線で伊勢
詣でと洒落こんだのです。

※なんといっても催事の観覧が「無料」ってのも大きかった。



近鉄線の駅前ホテルを予約し、朝から移動。
伊勢神宮の神々しい社に感激する。屋根回りの造形が素晴らしい…。

そして「おかげ横丁」に立ち寄って、赤福本店で柔らかい赤福を食す。



そして今回のイベント会場へ向かう。

お伊勢様と猿田彦神社は直接の関係は無いものの、神話時代からの
パワースポットとして知られる場所。

猿田彦神社は芸能の神アマノウズメを祀った社もありますから、
そういう人気も高いと言われているそうです。



会場は御神田。猿田彦神社裏の森に囲まれた野外。
普段は立ち入りが禁じられているが、お供えの米の収穫も終わり、
野焼きが行なわれるのです。



そこに設営されたテントに演奏者のスペースあり。
天気はあまり良くなかったが、火入れが始まる。

夕方くらいから野焼き祭り。
天気のせいで霞が掛かり、なかなか幻想的。



神田内は藁が敷き詰められ、中央で火がくべられる。いかにも儀式。
神主さんが言葉を上げ、野焼きが始まった。

そして、火が燃え上がり出すと演奏の開始。
この頃になると暗くなりはじめ、ますます雰囲気は独特なものに・・・。

最初に登場したのは「細野晴臣& 環太平洋モンゴロイド・ユニット」。
細野さんはボーカル、ギター、ベース。その他のパートは和太鼓、
ガムラン、笛など民族楽器。そしてコーラスも使われて「はらいそ」
ムードを感じさせてくれました。

無理に高揚せず淡々と進む演奏。それも神に捧げる演奏として良し。
そして岡野弘幹with天空オーケストラ。

よく知らなかったが、民族楽器と電子楽器が融合するニューエイジっ
ぽいサウンドだった記憶が…。



雨は降り、山と森は霞む。炎を前に演奏される音楽…。
なんとも不思議な空間。

そして登場したのがアイルランドからやってきたリアム・オメンレイの
グループ。(Vo、ホィッスル、キーボード)、そしてギタリスト、最後に
女性ヴォーカル。

当初はリアムとギタリストのアコースティック・デュオ。
アイリッシュ・フォークは日本の自然にも良く馴染む。
やがて女性ヴォーカルも参加して森に染み入るように感じる歌と演奏が
繰り広げられた。

幽玄といっても良いムードでしたよ。
終盤は和楽器との共演もあり、ますます民族を超えた調和が感じられる。



最後はジャムセッション。
演者も観覧者も一緒になって雨中の神田を裸足で走り回った。無礼講って
事だろうか。

普段は足を踏み入れることが許されない御神田に(土足厳禁ではあるが)
立ち入って走り回る。

足元の藁を天に投げ上げ、泥にまみれる。

小雨にもめげず、一番楽しそうにしていたのが、誰あろうリアムだった。



万物に精霊宿る天地、そこからの恵み、五穀豊穣。
それを祝う営みに通じるものを感じつつ、日本独自の文化に触れた喜び。

満面の笑みが忘れられない。
素晴らしいイベントとして記憶に残っています。

そういう意味もあって、リアム・オメンレイという音楽家は私にとって
特別な存在なのです…。