アートの周辺 around the art

美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

『夏至の日のランドマーク』山口牧生

2009-06-21 | 作品
 6月21日夏至であります。1年のうちで一番昼の長い日です。しかし、やっと夏の入り口をくぐったばかりなのに、明日からはだんだん昼が短くなっていくというのも、不思議な気がいたします。

 わがホーム・ミュージアムである滋賀県立近代美術館に向かう道すがら、自然の息吹にまみれたくて、ちょっと回り込んだ道(彫刻の路というらしい)を行くと、そこには山口牧生さんの彫刻作品があります。
 この石の柱が微妙に傾いて立っているのは、実は、真南に向けて約11.5度の傾斜(この地点と北回帰線との経度の差、らしいです)をつけてあるので、ちょうど夏至の日の正午に石柱の傾きと太陽の方向が一致し、その時、影が消失するというのです。宇宙の営みを取り入れた何ともスケールの大きな作品。高さは5メートル、表面にノミでくぼみをつけてあり、ごつごつした感じが、はるか古代からそこにあるかのような、また宇宙人が置き去りにした遺跡のような印象さえ受けます。
 でも実は1986年制作、作家の山口牧生さん(1927~2001)は、広島に生まれ主に関西で活躍されたようです。当館の他にも、静岡県立美術館はじめ全国に作品があるようで、いずれも石を育んだ自然や宇宙も含めて素材を生かす彫刻作品を造り続けました。
 1年に1度のチャンスですが、残念ながら今日は天気が悪そうで・・・。今年は宇宙人からのメッセージは届かないってことでしょうか?
コメント
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