6月19日(金) 朝の中板橋駅北口。スタッフは20歳代が3人、30歳代が1人、50歳代が2人の体制。握手を求められることの多い駅頭だった。事務所で7月18日に開催する「板橋から日本を変える 有田芳生 世直し集会」の打ち合わせ。当日は田中康夫代表による「日本のムダはこうして省ける」というテーマのミニ講演も予定している。時間は午後6時半から。会場は大山にある文化会館で無料。来週にはチラシも完成するので、ここでも紹介したい。携帯電話に民主党代表代行の小沢一郎さんから電話。私が総選挙で立候補する予定の東京11区(板橋)での活動について具体的アドバイス。現実把握を前提にした指摘に納得。目黒にある加藤タキさんのオフィスへ。いくつかのことをご相談。恵比寿ガーデンプレイスから帰ろうとしたら、東京都写真美術館が木曜と金曜は午後8時まで開いていることを知った。「プレスカメラマンストーリー」に急いで入場。朝日新聞で活躍したカメラマンたちが切り取った時代の肖像に息を呑む。2・26事件の現場もすごいが、私にとってはやはりベトナム戦争の現場がつらかった。解放戦線兵士として負傷した15歳ぐらいの兵士を介抱する黒人米兵の姿。ベトナム人高校生が銃殺される一連の写真。ベトナムの蒸し暑い空気の臭いとともに、人々の乾いた溜息までが脳裏に浮かぶやり切れない記録。歴史とは何と残酷なものか。電車のなかで柏原成光さんの『本とわたしと筑摩書房』(パロル舎)を読む。巻頭グラビアに記録された若き日の武田泰淳、野間宏、小田実、高橋和巳などなどの群像もまた歴史だ。論壇がまだ生き生きとしていた時代がこの日本にはあったのだ。時代がうねれば論壇は息づく。閉塞した社会では論壇も枯れる。「伊藤整文学賞バーティ」は「パーティ」の誤植。
6月18日(木) 定例役員会。久しぶりにジムで泳ぐ。水に浮かぶと重いなとすぐに自覚。あとで体重を計ってみると、この2年間でもっとも重い(1・5キロ増)から困ったもの。選挙「運動」では運動になっていないのか。ティグレ本部で高橋正人会長、赤峯邦彦常務理事にご挨拶、ご相談。神保町へ。「東京堂書店」で池内紀さん訳のゲーテ『ファウスト』(集英社文庫)を入手。いずれ書くことになる単行本『X』のための資料だ。「萱」で夕食、ワインバーの「ボン ヴィバン」につかの間顔を出して、大山。支持者と懇談。帰宅すれば「今、〈アメリカと闘う〉覚悟を持て!」と勇ましい惹句の新書が送られてきていた。鈴木邦男さんの『愛国と米国』(平凡社新書)だ。従属でも感情的反発でも無視でもないスタンスがたしかに必要だ。統一教会の南東京教区本部に警視庁公安部の捜索が入ったのは、17日のこと。組織ぐるみで霊感商法を行っている証拠物が続々と収集されている。遅きに失したとはいえ、ここを突破口にという当局の意気込みは高い。
6月16日(火) 事務所の近くを歩いていると、お年寄りの女性から声をかけられた。「いつかお話を聞きたいです」そう言われたので、7月18日に集会を開くことをお伝えする。「有田芳生 世直し集会」(仮題)は大山の文化会館で午後6時半から。その内容や準備などについてスタッフと打ち合わせ。ゲストなど詳細は近く公表する。徳丸、相生町、赤塚などでポスター貼り。板橋に選挙区を変更すると記者会見で明らかにしたのは昨年9月16日。ちょうど9か月が過ぎた。色褪せたポスターを貼り替えるとき、すでに「そのころ」を追想するだけの想い出がある。日本テレビの報道キャスターだった真山勇一さんにたまたまお会いした。選挙の準備活動について伺う。2年前にテレビ局を退職して調布市議選で当選するまで2か月ほど。ときに63歳。9346票で圧倒的なトップ当選だった。ちなみに2位は2731票。その秘訣の一端はとても参考になった。
6月15日(月) 上板橋駅北口で訴え。事務所に戻りハッピーロードを歩く。「テレビ見ましたよ」と女性に声をかけられた。「えっ、どこにですか」と訊ねれば、「酒場放浪記」だった。吉田類さんと中板橋の「多奈べ」で飲んだときのこと。そういえば「STORY」編集長の山本由樹さんからも「見ましたよ」とのメールをいただいた。自転車で大山西町、幸町、中丸町などを走る。「アイエス」の伊藤喜久雄相談役、伊藤正義常務に相談ごと。櫻井義秀さんの『霊と金』(新潮新書)のなかの「統一教会と霊感商法」を読む。統一教会の歴史や問題点をコンパクトにまとめているので、関心ある方には必読。霊感商法の手法は重層的。文鮮明教祖は先祖を最終的には120代まで辿る「解怨」を求めている。求められる献金は1家系につき70万円、父方、母方計4家系で280万円。ところが日本で120代前は縄文末期。半島からの往来もあり、血縁を共にしていただろう。ダブった献金に払い戻しはあるのかと櫻井さんの皮肉。霊感商法をめぐって渋谷教会などに警視庁の捜査のメスが入ったので、幹部間でも動揺が起きている。ただし捜査当局の限界は信者の心境まで配慮した取り調べになっていないところだ。起訴するとの基本方針はさてどうなるのか。
6月14日(日) 不思議な光景を眼にしている。「永田町」という狭い界隈では当り前なのだろうか。たとえば宗教Aがある。それに強く反対する宗教Bがある。固有名詞をAとBに当てはめるパターンはいくつもある。その両者に足をかけ、内密に信者として儀式にも出ている政治家があまた存在する。問題はさらに深まる。宗教Cに集票力があると判断すれば、その信者に登録する人物もいる。宗教Aは宗教B、宗教Cと対立している。しかしその全部から支援をいただこうというのだから、これを逞しいというのか、厚かましいと評価するのか。「そんなものだよ」という声が聞こえてくる。実体をそれぞれの宗教団体が知ればどんな対応をするのだろうか。大山の事務所を拠点に自転車でポスターを貼り替えつつご挨拶の一日。蒸し暑い。定期的にポスターを剥がされる場所がある。それぞれお願いをして貼っていただいているところだ。つい数日前まで私と田中康夫代表のものがあったのに、いつしか某党党首のバカでかいポスターが貼られていた。因果関係は不明だが、やれやれ。
6月13日(土) 主としてフリーランスのライターとして取材をしていたときも、テレビのコメンテーターを生活の中心にしていたときにも「見えなかった世界」がある。意図せずとも世界はとても小さな額縁で切り取られていたのだ。朝の通勤通学時間に定点観測のように訴えをしていると、多くの障害者が黙々と仕事に出かけている姿を目撃する。知人となった方の働く施設の近くを偶然に通過したとき、そこには精神を病んだ若者たちが自立を目指し、それを支える人たちがいることをこの眼にしたこともある。商店街でも路上でも、数限りない人たちから「生活の苦悩」を訴えられる日々。この一身にいったい何ができるのかと現実の重さに戸惑うときもある。それでも聞くこと、見ることからしか出発できない。ある保守系無所属を自任する理容店主が今日も怒っていた。「誰がこんな社会にしたんだと与党の政治家に言いたいですよ」。弥生町を歩いているとき、ポスターを貼り替えるべく記録を見ると「瀬田」あった。該当する現地に行って驚いた。先日何者かによって殺害された瀬田御夫妻の自宅だった。放火され全焼した家屋周辺はいまだ青いビニールシートで被われている。奥様が襲われた玄関もあらわで、事件の異常さが日常の延長にあることを訴えている。日常の薄い被膜を剥がせば、この世は悪意があちこちに潜んでいるのだろう。成増で長老的な協力者と懇談。
6月12日(金) 有楽町にある日本外国人記者クラブで会見を行った。韓国3紙(東亜日報、朝鮮日報、中央日報)に掲載するのは、拉致問題の解決を求める「日本人からの手紙」である。「家族会」代表の飯塚繁雄さんも駆けつけてくださった。2月25日からはじめた「ニューヨーク・タイムズ」への広告運動もふくめると、1796万円の基金が集まった(12日現在)。「持続する志」に感謝。意見広告は6月中に掲載される予定だ。拉致被害者は12か国広がっている。そのなかでも日本の役割が重要だ。1万5000人の脱北者のいる韓国で、意見広告はきっと波紋を起していくことになるだろう。会見の様子はTBSが、記事は毎日新聞が報じてくれた。記者会見終了後、24時間営業のレトロな「まんぷく食堂」で打ち合わせ。朝の訴えは6人体制で東武練馬北口。車の窓を開けて大声で「頑張ってー」と伝えてくれる女性に通勤客もびっくり。いくつもの反応に責任の重さが堆積していく。
6月11日(木) 成増5丁目のワンちゃんは人懐こく、表情が豊かだ。猫の自由、犬の優しさ。もしかしたら人間の方が複雑ゆえに不自由でときに難しすぎるのかも。統一教会への警視庁の捜査を予告的に速報したところ、予想通りの嫌がらせメールが到来した。「信じる者」も事実を見つめてもっと自由にと思う。捜査をとめるために政治家への働きかけが行われた形跡がある。もはやそれは無理。そもそも警察庁が統一教会をターゲットにしたのは、いまから14年も前の1995年秋のこと。かつても書いた記憶があるが、全国から警察庁の担当者が東京に集まってきた。「誰がいるかは聞かないでください」との条件だった。私からは「謝礼はいっさい不要」と「講義」をしたことがある。そのときの依頼者がのちに警視庁副総監になった高石和夫さん。昨年55歳の若さで亡くなった。摘発はあまりにも遅すぎる。定例役員会。文藝春秋の購買部で政策提言のための参考資料として落合博実さんの『徴税権力』(文春文庫)を入手。「はら田」で市川段四郎、亀治郎さんとしばし。
「印鑑買わねば命なくなる」と印鑑販売の疑い 統一教会を捜索 警視庁
印鑑販売会社「新世」(東京都渋谷区)の販売員が姓名鑑定で不安をあおり高額な印鑑を購入させた事件で、警視庁公安部は11日朝、特定商取引法違反(威迫・困惑)の疑いで、同区渋谷の世界基督教統一神霊協会(統一教会)渋谷教会など関係先の家宅捜索に乗り出した。
公安部は新世が統一教会の関連企業とみており、新世の会社関係者ら7人前後を同日中にも取り調べ、容疑が固まり次第、逮捕する方針。
公安部の調べによると、新世の20~40代の女性販売員らは、平成19年10月から今年2月までの間、渋谷区の路上で声をかけた30~60代の女性を新世の事務所内に連れて行き、姓名鑑定を行ったうえで、「印鑑を買わないと命がなくなる」などと恐怖心をあおって印鑑を販売した疑いが持たれている。
公安部によると、販売員は統一教会に所属。印鑑は通常3本セットで120万円で販売され、販売実績や顧客リストなどが統一教会に送付されていたという。公安部は統一教会が組織的に関与した疑いがあるとみており、背後関係について調べを進める。
統一教会をめぐっては、高額な水晶彫刻を購入させたとして、福岡県警が5月に同容疑で教会の女性信者を逮捕、統一教会福岡教会を家宅捜索している。警視庁は今年2月に新世を家宅捜索して実態解明を進めていた。捜索時、統一教会は「『新世』とは関係ありません」とコメントしていた。