「印鑑買わねば命なくなる」と印鑑販売の疑い 統一教会を捜索 警視庁
印鑑販売会社「新世」(東京都渋谷区)の販売員が姓名鑑定で不安をあおり高額な印鑑を購入させた事件で、警視庁公安部は11日朝、特定商取引法違反(威迫・困惑)の疑いで、同区渋谷の世界基督教統一神霊協会(統一教会)渋谷教会など関係先の家宅捜索に乗り出した。
公安部は新世が統一教会の関連企業とみており、新世の会社関係者ら7人前後を同日中にも取り調べ、容疑が固まり次第、逮捕する方針。
公安部の調べによると、新世の20~40代の女性販売員らは、平成19年10月から今年2月までの間、渋谷区の路上で声をかけた30~60代の女性を新世の事務所内に連れて行き、姓名鑑定を行ったうえで、「印鑑を買わないと命がなくなる」などと恐怖心をあおって印鑑を販売した疑いが持たれている。
公安部によると、販売員は統一教会に所属。印鑑は通常3本セットで120万円で販売され、販売実績や顧客リストなどが統一教会に送付されていたという。公安部は統一教会が組織的に関与した疑いがあるとみており、背後関係について調べを進める。
統一教会をめぐっては、高額な水晶彫刻を購入させたとして、福岡県警が5月に同容疑で教会の女性信者を逮捕、統一教会福岡教会を家宅捜索している。警視庁は今年2月に新世を家宅捜索して実態解明を進めていた。捜索時、統一教会は「『新世』とは関係ありません」とコメントしていた。