荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

なぐさみー2

2014年03月22日 | 散文
そんな思い出に浸りながら、50年近く経った今日、「なぐさみ」の陣地に行ってみた。
先ず裏山に向かったが、松が枯れて梅が枯れて桐が枯れて桑の木が枯れて、段々畑も全て竹藪になっており登る道が無い。
竹藪には、猪がまだ土から出ていない筍を掘り出した跡が沢山あった。

持って行った鉈で藪を切り開きながら、記憶を頼りによろよろと進んでいく。
幸い途中から電力会社が高圧電線の管理の為に作った山道に出逢ったので、出発前の覚悟程厳しくはなかったが、なにぶん50年の歳月は簡単に息を弾ませ顎を上げさせ足を怠くさせる。
そんな苦労をしながら、小一時間で陣地に到着した。

絶景である。
しかし陣地は変わり果てていた。
子供の頃弁当を食べたり相撲を取ったりしていた場所が随分狭い。
これは、私が大きくなったのであろう。
何より松くい虫の被害が酷く、松が無くなって杉が増えており、植生が変わっていた。

・・・一番思い出に残っている木が松くい虫にやられて芯だけで立っていた。
この松の木の左の枝が大きく水平に張り出して、さらに枝が絡み合って、一畳程のベッドのようになっていたのである。
そこで過ごす気持ちの良さは我が陣地の最大の魅力であり、他の陣地に対する自慢であった。


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