日々、あんのん。

からだの育ちの凸凹、学習のスタートラインにつけない人のもっと学びたい、発達したいを応援します。

鏡文字についての備忘録。

2015-04-14 14:48:21 | 発達応援
 朝、仕事を終えて、バイクを停めると、
白い花びらが、はらり、はらりと落ちています。
どこから来たのかと辺りを見回すと、 
お向かいの家のバラのアーチが見事に咲き誇っています。
肌寒い日がつづきますが、いつの間にか、バラが花開く季節になっているんですね。

 子どもはどうやって、ものの形を認識するのかなぁと、
色々な本を読んだり、ネットで検索していたら、
鏡文字が書かれる原因についての言及があったので、
備忘録として書いておこうと思います。

1 大脳半球のはたらき説
 
 大脳半球は左右対称で、2つの半球では対象を左右対称に記録します。
しかし、大脳半球の一方の半球が充分に発達していない幼児は、
一方の半球で像を正確に捉えることが困難で鏡文字を正しい文字と同じように認知してしまうそうです。
 また、言語中枢のある左脳に障害が起きた人の中には、
鏡文字を簡単に書く人がいたり、左利きの人は右利きよりも上手に鏡文字が書けることから、
大脳の左半球が鏡文字の問題と深く関わる傍証ともされているそうです。

2 未発達な眼球の動かし方による説。
 
 幼児はまだ、自由自在に眼球を走査させることができず、
左右が逆転しても上下の関係が変わらない鏡文字を正しい文字と見分けられないそうです。

3 人の姿勢に基づく垂直効果説。
 
 幼児は空間を上下という縦軸だけでとらえようとする特性が強く、
横軸や斜め方向を含めた、色々な角度から分析的に空間対象を捉えることができないため、
鏡文字を書いたり、正しい文字と識別ができないそうです。
 三角形の斜めが書きにくかったり、認識しにくいのもここが原因かな、と、
この説を見て私は思ったことでした。

4 空間を相対的に判断する思考力の発達の未熟さ説。

 幼児は前後上下の空間概念を日常生活の中で獲得していくが、
左右の空間概念は、自分の手足の左右が理解できても、
向かい合っている相手の手足の左右や空間の左右の判定をすることが難しいそうです。
これを「自己中心的思考」(ピアジェ)といい、この思考から脱却して、
客観的に見たり、考えたりできるようになると、
向かい合っている相手の左右の区別もできるようになり、
鏡文字を書くことも減るそうです。

 以上、『子供の認知はどう発達するのか』 田中 敏隆
から拾い上げてきました。

 脳の発達や眼球の発達、認知の発達などによって、
年齢があがってくれば(6歳~9歳)、鏡文字の出現はなくなってくるようです。
もし、年齢があがっても、鏡文字を書くのであれば、
「また、間違えている!」と怒るよりも、
空間の認知の仕方を一緒に確認してみたり、目の動かし方を確認してみたり、
ひとつひとつ、引っかかりの原因になっていそうな点を丁寧に見ていくと良いかもしれませんね。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする