日々、あんのん。

からだの育ちの凸凹、学習のスタートラインにつけない人のもっと学びたい、発達したいを応援します。

広がる、広げる。

2015-03-05 17:50:31 | 発達応援
 今朝は、雲間から見え隠れする月を見ながら出勤。
墨色の雲の間から、見え隠れする月は龍の目玉のようだなぁ~と、
見るたびに思います。

 桜の花が咲いて、チューリップが花壇でゆらゆらしているの見て、
風の暖かさを感じて、ああ春が来たなぁ~と思ったり。

 たくさん汗をかいて、アイスやかき氷がおいしくて、
スイカを食べたり、花火をしたり、学校が長く休みになってああ夏だなぁと思ったり。

 そういうことを自分の肌で感じて、
会話でもそういうことが口にできるようになるといいなぁと、
支援員をしていた時に、学習の中で、イラストカードで季節分けをしたことがありました。

 そこで一緒に勉強していたのは、支援クラスにいる中1の子ども3人。
三者三様で、ひとりは「春夏秋冬」と言葉も知っていて、語彙力もあるのに何かを話すことに結びつかない子。
ひとりは、会話の中心は「なに食べた?」の一点張りではあるものの、話好きな子。
ひとりは、話したくてにこにこしているけれども、「見た」「行ったよ」と単語が単発な会話な子。

 まずは、「季節って知ってる?」と聞くと、
語彙力豊富な子が「知ってます!春夏秋冬!」という中、他の2人はぽか~ん。
「ああ~、そんなことも知らないの!悲しいよ!」と答えた子が言うので、
「じゃあ、今はどの季節?」と聞くと、
「ええっ?うーん、春じゃないし、秋かな?夏じゃないよね。冬はどうかな?」と答えます
言葉は知っていても、自分の生活の中には実感としての季節はないのですね。

 そこで、すごく暑くて汗がいっぱい出たときや寒くてこたつを出すとき、
小学校や中学校に1年生が入学するときや芋掘りをしたときのことを思い出させて、
それが「夏」だったり「冬」、「春」、「秋」という季節だったんだよ、という話をしました。
3人とも、「ふぅ~ん」という感じでした。

 そういうことを繰り返し、話しながら
イラストのカードで四季分けをしたり、同じ風景が四季で違う写真を見たり、
その季節、季節でどんな洋服を自分は着ているかを思い出したり、
どんな食べ物を食べているか、どんな行事があるかを言い合ったり、
学校の中で咲いている花や草を見つけて、今の季節を感じたり、
そんな学習をしました。

 その積み重ねが、あるとき「すみれ、はるだね」とぽつりとつぶやいたよ!という
保護者の方からの報告になったりして、こちらも嬉しさをお裾分けしていただくことでした。

 毎日、毎回の代りばえのしない取組みが小さな変化をもたらして、
それが積み重なって人をかたちづくる一部となっていくのかもしれませんね。


 
コメント
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