超人日記・作文

日々の随筆の合間に、短歌や俳句も登場します。

<span itemprop="headline">散読のメモ書き、明恵のいた世界、作曲家の晩年</span>

2013-07-06 04:06:48 | 無題

今日は読んだ本をメモして整理した。最近部屋の片づけもよくやる。
夢の記をつけた明恵上人が華厳宗なので、講談社学術文庫の「華厳の思想」で事法界と理法界の関係をメモる。
事法界は物事が区別されたこの世界。理法界は物事が区別される以前のこの世界の潜勢力。理法界の潜勢力が事法界となって立ち現われる。両者は別物ではない。
世の中いろんなことが起こるが、全ては理法界で繋がっている。
正確には事法界、理法界、に加えて、理事無碍法界、事事無碍法界がある。この二つは理法界と事法界の融通無碍な関係、事と事どうしの融通無碍な関係を述べたものである。
全部合わせて華厳の四法界説と言う。
この華厳宗の考えを知っていると、明恵上人が犬の置物と心を通わせたとか、海に浮かぶ島に宛てて手紙を書いて置いてきた、とか、離れたところで起きていることを察知できたというふしぎな逸話の理解が深まる。
潜在的な現実では全てが繋がっていて、それが現象界にひょっこりと顔を出す。その辺の機微を華厳を学んだ明恵上人はよく心得ていた。
不思議と西洋にも類似の思想がある。
例えば万物は流転するが、その本性は永遠に燃える火のように理法によって維持されているというギリシアのヘラクレイトスの説である。
現象界は無常であるのだが、根底には目に見えない法が働いているのである。
最近ようやくセルヴァディのシベリウス・ピアノ曲全集を手に入れた。奇想の宝箱のような珠玉の小品集である。
また、アンドラーシュ・シフ演奏のシューベルトピアノソナタD960(最後のピアノソナタ)をリピートで聞いている。ベートーヴェンもシューベルトも晩年になると作品に何とも言えない深みが増すのは驚きである。生きた時間の長さにかかわらず、作曲家の人生は晩年に深化を遂げるのか。ベートーヴェンのピアノソナタの30番台の静謐な深みもある到達点を刻んでいる。
明恵上人やヘラクレイトスは私の気まぐれな読書の抜き書きで、門外漢の感想文である。

夢の記を書いた不思議に魅せられてメモ書きをして音に聞き入る



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« <span itemprop="headline">... | トップ | <span itemprop="headline">... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿