会社更生手続中の日本航空は、本年度中にグループ全体の約1/3にあたり約1万6000人を削減する計画。
昨年3月から希望退職者募集を行い、日航本体でパイロット約670人、客室乗務員約1920人、整備職約1470人、地上職約1260人が退職。
昨年末には目標に達していなかったためさらに165人を整理解雇。
この165人のうち、146人が不当解雇を主張して地位確認を求める訴えを起こした。
整理解雇は、判例上、整理解雇4要件(要素)の状況によって、その当不当が判断される。4要件(要素)は、次の通り。
①人員削減の必要性
②解雇回避努力の有無
③労働組合との協議の状況
④被解雇者選定の合理性
なお、最近の判例では、「4要件」とせず、これらを総合的に判断する傾向にある。
争点は「被解雇者選定の合理性」に尽きることが予想される。
今回は、機長は55歳、副操縦士は48歳、客室乗務員は53歳以上及び傷病休職者が解雇対象。
恣意的判断が許されない中で基準を設けなければならないが、人件費削減効果等を考えると、賃金が高い層が狙われることになることは、合理性があると考えて差し支えないだろう。
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