こくご食堂

小学生向けこくご塾を創業しました。[こくご]の楽しさを、様々な切り口から発信していきたいと思っています。

[自己褒め殺し]

2018-01-31 23:02:38 | 表現する
はじめまして。2018年春、川崎で小学生むけ[こくご]を中心とした塾を創業予定のamimです。思考・発表・文章にする・を柱に、ディベート・俳句アクティブラーニング・ビブリオ・ロールプレイングなどを取り込んだ授業をします。ブログは毎日更新しています。感じたこと、体験したことを文章にすることは「こくご」です。

「こくご食堂」本日調理する食材は[自己褒め殺し]

美人な人は褒められ慣れています。去年、とても綺麗な方にお会いしました。本当に綺麗なので、何度となく正直にその気持ちを伝えました。綺麗なので、聞き慣れているので、その言葉にさほど驚かず、さほどうれしそうでもありませんでした。

しかし私は違います。第一に、褒め言葉に慣れていません。なので、突然褒められると、たじろぎ、しどろもどろです。

今日は、派遣の仕事でした。今月の水曜はいつもこの現場に行くのですが、数か月前に会った方に会いました。お嬢さんが三人いらして、三女が、うちの次男と一緒であることが今日初めてわかりました。そして、私がこの春から塾を創業する話しになりました。すると
「あー、そうなのですね。面白い話をききました。なにかある人だと思っていました。透明感がありますよね。」
私は透明感があると褒められたのは、生まれて初めてです。天にも昇る気持ちです。きっと誰もみたことのないような笑顔だったことでしょう。
「ありがとうございます。」
と威勢よく言っていました。しかし、去年出会った美女はそんな対応はしていませんでした。もっと落ちついた微笑でかわしていました。慣れていないのです。

慣れていないので、人生で数回しかない褒め言葉は一生忘れません。以前、幼稚園の英語教室で、外国人の先生の助手をしていました。ある日、事務の仕事だったので、ドレスコードがなく、ジーパンと白いシャツを着ていきました。すると女性の社長から
「あなた、白がよく似合うわね。白は難しいのよ。」
と褒めていただきました。白いシャツはとても好きなアイテムなので、とても嬉しかったです。

なにを自慢しているのだ。と思っている方や、私は知っている人は、「なにが透明感」と思っているでしょう。それでもいいのです。たまには、褒めていただいたことを書いてみたかったです。日本人には苦手な行為です。みなさんも、褒められたこと自慢してください。声にして話をするよりも、活字に起こしたほうが、自慢色が弱まります。

本当は真っ黒な心を持っている私です。しかし、今日の仕事で出会ったかたは、私を透明だと感じたなら、私の演技力がよかったのかもしれません。または、透明感というのは褒め言葉ではなかったかもしれません。それでも、私は嬉しいです。ここは主観。主観おおいに結構。そして今日も前向きです。

そして、少し元気がなく自信のない方は、「自己褒め殺し」をしてみてください。人に褒めていただいたことを思いたしてみてください。

[後からくる怖さ]

2018-01-30 20:53:29 | 本紹介
はじめまして。2018年春、川崎で小学生むけ[こくご]を中心とした塾を創業予定のamimです。思考・発表・文章にする・を柱に、ディベート・俳句アクティブラーニング・ビブリオ・ロールプレイングなどを取り込んだ授業をします。ブログは毎日更新しています。感じたこと、体験したことを文章にすることは「こくご」です。

「こくご食堂」本日調理する食材は[後からくる怖さ]

怪談といえば、稲川淳二さん・真夏・楳図かずおさんの漫画・廃墟というイメージあります。以前知人に相模原で有名な病院の廃墟のそばを通りかかりましたが、昼でしたがとても恐ろしく感じました。

そして今日の夕方16時頃の空。

▲今日の夕方の空

なんと、黒い雲と白い雲の切れ目がながくのびていました。不吉・・・地震があったら怖いと思いながら職場に向かいました。何事もなく、ホットしまいした。

今日は、本の紹介をします。それは、この本です。


▲「一行怪談」

「一行怪談」吉田悠軌著PHP文芸文庫
この本を手にするきっかけは、ビブリオバトル大学生全国大会の決勝戦で紹介されたからです。小学生、中学生でオカルトブームがやってきて(私の周りだけかもしれません)その都度、心霊写真やオカルト漫画をみて、友達と怖がっていました。夏休みの日本テレビの「あなたの知らない世界」という番組を見ては、ねむれなくなり、それでも見る。もっと幼いころは、8時だよ全員集合の志村けんさんのお化けコントも、じっとしてみていられませんでした。怖くて、大きな声を上げて部屋を走っていました。母に、「みるのやめなさい。」と言われていました。

そんな私が、またチャレンジです。この話はフィクションです。一行で書かれている怪談です。1行なのですが、一行が長いものがあります。どんな怖さかというと、「後からくる怖さ」。シュールな話もあります。なんと言っても一行なので、気軽によむことができます。しかし、この気軽に読めるというもポイントで、読む作業は気軽ですが、読んでから「ん」と考える時間があります。「ムム」だったり、「キョエー」だったり。とっても抽象的な表現しかできません。それは、是非読んでいただきたいからです。怖いもの見たさで、オカルトブームを過ごした時のように、見たい、でも怖い。ページをめくるごとに、そんな思いになる本です。

作品一つだけ紹介します。
以下引用(「一行怪談」より)
明け方のベンチに座るカップルが、泣きながらお互いの指を食べ合っている。

いかがでしょうか?これは、横書きなので、最後の「食べ合っている」が先に目に入ってしまうかもしれません。この本では、縦書きです。縦書きなので、「泣きながらお互いの」まで読んでも、下の部分まで予測できず、怖いのです。

他にも様々なタイプの話があります。是非読んでいただいて、ご感想をおきかせいただきたいです。

ビブリオバトル大学生全国大会でこの本を紹介した女子大学生が、日曜に見にいった、ビブリオバトル高校生全国大会の会場係をしていて、一瞬オカルトチックに気分になりました。実は、彼女はその女子学生ではなく、私が「一行怪談」を読み終えていないので、最後まで読むように現れた、私にしか見えない人間なのでは・・妄想はひろがります。

皆さんもこの本を読むと、怖い妄想に悩まされるかもしれません。「後からくる怖さ」体感してみませんか?

[大きい喜び]

2018-01-29 20:42:42 | 本紹介
はじめまして。2018年春、川崎で小学生むけ[こくご]を中心とした塾を創業予定のamimです。思考・発表・文章にする・を柱に、ディベート・俳句アクティブラーニング・ビブリオ・ロールプレイングなどを取り込んだ授業をします。ブログは毎日更新しています。感じたこと、体験したことを文章にすることは「こくご」です。

「こくご食堂」本日調理する食材は[大きい喜び]

最近、「やってしまった!」と思う事が多くあります。その一つが、先週の土曜日に読書会に参加したのですが、過去に溝の口の会場だったので、今回も溝の口だと思いこんでいました。時間になり店に入ると、知っている方がいません。よく申し込みページを読むと、武蔵小杉でした。大慌てで会場にむかいました。

そして、「やってしまった!」の第二弾が、この本です。横浜で仕事をすると、昼休みに有隣堂ルミネ店に行ってしまいます。本屋さんに行ってしまうと、必ず出逢いがあります。本と出合って、その場で買わないと、その後探すのが大変になるのです。今回は、違った出逢いがあります。

柱の展示でこれがあったのです。

▲有隣堂でやっている限定のブックカバー
相鉄線の駅名がでています


なんと、私の好きな相鉄線の駅名の入ったブックカバーをしてもらえるのです。本と、相鉄線の好きな物コラボです。さっそく、有隣堂で本をさがしました。すぐにこの本が目にとまりました。この本の作者、金田一秀穂さんのおじい様、金田一京介さんは辞書を作る方で、私の母は、「金田一京介さんの辞書は、間違いない」とよく言っていました。この金田一秀穂さんは、よくテレビにも出演して、言葉の語源などをお話されます。『日本語のへそ』というタイトルに惹かれました。

▲「日本語のへそ」
ムダのようで、でも大事なもの
金田一秀穂著・青春出版社


さて、いざレジに行き、ブックカバー―を選ぶことにしました。迷わず、相鉄バーションを選ぶと、
「申し訳ありませんが、本書は新書ですのでこのカバーはできません。文庫本のみなのです。」
「が――ン」
とは言いませんでしたが、心の中ではこの言葉が響いていました。それでも何食わぬ顔をして、店を後にしました。基本的にはブックカバーをつけない派の私です。それが、ブックカバーほしさに本を買うという、邪念がいけなかったのでしょう。次回文庫本を買う機会があるまで、辛抱しようときめました。

昨日は、午後から早稲田大学で「ビブリオバトル高校生全国大会」がありました。前回、大学生の全国大会を観にいきましたが、とても楽しかったです。今回も、高校生が好きな本の紹介をしました。5分間、原稿をみずに自分の言葉で話をしている彼らの表現力、尊敬します。会場では、紹介された本の一部が販売されるのですが、一冊購入できない本がありました。それが、なんと文庫本です。これは、有隣堂、相鉄線ブックカバー。欲しい本が買えない残念さよりも、ブックカバー込みで本を購入できる喜びでいっぱいでした。

本日は横浜で派遣の仕事でした。昼ごはんを早く食べ、有隣堂へゴー。リブリオバトル高校生大会の模様は、今朝の読売新聞に掲載されていました。しかし書店で特別コーナーが設けられるほどではありません。以前に、何度探しても本がなく注文したこともありました。心の中では、もう欲しい本を手に入れています。しかし、検索機で調べても、出てこないのです。きっと焦って、押し間違えたのでしょう。店員さんに
「『本日はお日柄もよく』という本ありますか?」
すぐに案内していただけました。購入した本はこれです。

▲「本日はお日柄もよく」
浜田ハマ著・徳間書店


そして、カバーはこれです。

▲相鉄線モデルのブックカバー


私は知らなかったのですが、この本はドラマになり放映されているそうです。本を先に読みたいので、ドラマは今回、見ないこととしました。

さて、すったもんだで、このブックカバーを手に入れて、大満足です。小さい「やってしまった!」があったからこそ、大きな喜びにつながりました。幸せです。

[習慣]

2018-01-28 20:44:06 | アナウンサー教室
はじめまして。2018年春、川崎で小学生むけ[こくご]を中心とした塾を創業予定のamimです。思考・発表・文章にする・を柱に、ディベート・俳句アクティブラーニング・ビブリオ・ロールプレイングなどを取り込んだ授業をします。ブログは毎日更新しています。感じたこと、体験したことを文章にすることは「こくご」です。

「こくご食堂」本日調理する食材は[習慣]

アナウンサー教室発展クラスの2回目。今年の春から創業する塾で、滑舌よく聞き取りやすい授業をするために通っています。今日はニュースでした。ニュースは苦手です。「読む」のではなく「伝える」という点がよく理解できていないからか、「かたい」表現しかできないのです。練習をしているのですが、思うように表現ができません。

基礎クラスで練習をした時は、強調した部分の音を少し上げて読む練習でした。強調することばかり意識していて、言葉が「ぶつ切れ」になってしまい、最後の授業ではそこを先生に指摘されました。今回の授業では、その「ぶつ切れ」になるところはなおっていました。しかし、「かたい」のです。語りかけるように、ということは理解しているのですが、自分の言葉で表現するのがとても難しいです。

他の生徒さんたちが読むところ、よくなるように指導しているのを聞いていると、なるほどと思うのですが、頭と体が一致しないというのはこういうことです。

しかし、それも「練習」あるのみ。ニュース番組を見て、ニュースが活字になっているアプリがあるそうなので、それを活用して、読む練習をします。

今回初めて指摘していただいたのが、声のスタミナが段々おちているということです。自分ではまったく気がつかないことでした。ある部分の助詞の音が上がってしまうこと、一つの言葉にならないことなどがありました。そして5メートルほど離れた場所にいる先生に、語りかけるように声を届けることも意識しました。声は小さいと思ったことがありませんが、アナウンサーのレベルでは、小さいのです。みなさんが思っているよりも、大きな声を出すのです。そこで、基礎クラスでやった腹式呼吸がいきてくるのです。

そして当たり前ですが、「挨拶」「返事」の話がでました。私以外の学生生徒は、真剣にアナウンサーを目指す面々です。
「面接の部屋には入り、『挨拶』『返事』を聞いて80%、採用か否かきまります。正直言って、話している内容はどうでもいいのです。」
という先生の言葉がありました。他の業種でももちろんでしょうが、アナンサーになるという狭き門を通過しないといけない学生のみなさんは、さらにそれが求められます。「挨拶」「返事」は習慣です。普段から大きな声ではっきりと、「気持ちよく」を意識していいないといけないのです。それは、私への戒めでもあります。気持ちのよい「挨拶」「返事」は、動作主も幸福にしてくれます。

基礎クラスでやっていた発声練習も、また復活しようと思います。基本に戻る。週の半分している派遣の仕事では、一か月の様々な職場にうかがいます。初めて会う方が多いので、この「挨拶」「返事」を練習するには良い環境です。明日も派遣の仕事なので、「挨拶」「返事」を少し大きな声でしようと思います。

継続は力なり。習慣も力なり。


▲川崎駅ヨドバシカメラ近くにあるオブジェ
「希望」というタイトル

[生きる]

2018-01-27 17:49:04 | 戦争・平和
はじめまして。2018年春、川崎で小学生むけ[こくご]を中心とした塾を創業予定のamimです。思考・発表・文章にする・を柱に、ディベート・俳句アクティブラーニング・ビブリオ・ロールプレイングなどを取り込んだ授業をします。ブログは毎日更新しています。感じたこと、体験したことを文章にすることは「こくご」です。

「こくご食堂」本日調理する食材は[生きる]

1月20日土曜日、日本テレビ午後2時30分「記憶の澱」という番組を見ました。この日は、午前中に英語の集団授業の最終日で、生徒との別れがあり、帰宅してテレビをつけたら、偶然やっていました。

満州に開拓団としてわった方々が、敗戦後、満州国の人々からの略奪から守ってもらうために、ロシア兵たちに女性たちを差しだし、食料と安全を手にいれるということが行われていました。彼女達は「特殊夫人」と呼ばれる女性で未婚の18歳以上の女性たちでした。隣の開拓団では、全員自決という決断をした地域でした。しかし、この開拓団では、生きるという選択をしました。そして、結婚していない女性が選ばれます。その一人の方は、両親が死んでいて妹と弟を助けるために必死でした。妹が17歳だったため、開拓団のリーダーに
「この女性は18歳以上の女性にしてください。」
と嘆願したそうです。彼女達の中には性病にかかり死亡するものもいまいた。そして、彼女も、一度妹さんの前で半狂乱になり、一緒に死のうと刃物を持ち出したことがあるそうです。この「特殊夫人」のことは、秘密にされ、誰も口にしませんでした。表向きは。ある時この女性は、この開拓団の男性に
「減るもんじゃない。」
という言葉を言われたそうです。この女性は数年前に亡くなられましたが、妹さんに
「このことは、いつか伝えてほしい。」
と言っていたそうです。なげかけられた言葉は、とてもつらかったそうです。満州での出来事を世の中にしらせてほしい、というお姉さんの最後の願いだったそうです。

私がこの番組を見たのは途中からで、丁度男性がマイクを持って話をしている時でした。その方は中国の戦地にいるときは、中国の女性を強姦しており、それが悪いこととは感じていなかった。しかし、自分たちの目の前で他国の兵士が、自国の情勢を強姦しているのを目撃して助けることもできず、その兵士に煮えたぎる怒りを感じたそうです。自分達がしてきたことはすっかりわすれている。とお話されていました。

日本では、広島・長崎の原爆の話は昔からしていました。そして、原子爆弾投下についてアメリカでは学校で教えられていないといって、かなりショックを受けたことがありまいた。しかし、日本でも戦争で自国がしてきた負の部分を隠してきました。この番組で、他国でのことをお話されて兵士の方はとても勇気がいることだったと思います。みなさん御高齢です。80歳以上の方がほとんどです。この長い間、胸に閉まっておきましたが、その重みに耐えられなくなったのかもしれません。戦争を知らない人々のほうが圧倒的になったいま、私達は知る必要があるとおもいました。その方々を非難するということでなく、ただ、事実として。

この番組をみて、「生きる」ことの厳しさを改めて考えさせられました。満州開拓団の二つの選択。誰も被害者を出さないために、絶望のため「自決」するとう選択。開拓団の大勢の人を助け「生きぬく」ために、人柱となった女性達。

「特殊夫人」の中で御存命の方のインタビューがありました。その女性は、満州国の方々を恨んではいない。満州国の方々は、もともと自分達の土地であったところに、私達日本人が踏み込んでいって略奪したのだから、襲ってこられても仕方ない。この言葉がとても胸にしみました。

戦争が終わり日本に引き揚げてきてから、この開拓団は地域ごとに編成されていたので生まれ故郷に帰って方、また誰も知らない街にうつりすんだかたもいます。「特殊夫人」であったとこを、子供や孫たちにしられたくないということからです。それでも、時々「特殊夫人」であったかたと手紙の交換があったそうです。
「何があっても、頑張って生きよう。」
彼女達は遠くに住んでいても、お互いの心を支えあっていたそうです。

「生きる」とは自発的なのか?受け身なのか?「生きている」のか、「生かされている」のか。深く考えていました。この1週間。やっと文字にすることができました。できれば、「生きている」と、胸を張って言えるといいなと思いました。