雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森 243 中山七里さん『いつまでもショパン』宝島社

2013年02月07日 05時22分35秒 | 本と映像の森

本と映像の森 243 中山七里さん『いつまでもショパン』宝島社、2013年1月24日第1刷、325ページ、定価1400円+消費税

 2月6日(水)午後、起きてから、則子さんに「本屋行くけど行く?」と聞いたら「これ買って来て」と「種田山頭火と尾崎…」というタイトルと出版社のメモを渡されました。

 いつもの行きつけの本屋に行って、則子さんの指定の本もあったので買って、ちょっと店内を回っていたら視野に、なじみの色彩の本、しかも、違うタイトル!が目に入ってきました。

 あきらかに中山七里さんの本です。慌てて手に取ると「いつまでもショパン」、しかも先週発売で、内容は、テロリストの攻撃にさらされるショパン国際コンクール、しかもコンテスタント(コンクール出場者)の中に、岬洋介さんがいる!

 しかも岬洋介と並ぶ日本人出場者の中に「榊場隆平(さかきばりゅうへい)」という18才は、「盲目」です。彼の演奏の叙述はあきらかに辻井伸之さん、そのものです。中山さん!サービス精神満点!

 そして主人公は、ポーランド人の18才の男の子、やン・ステファンス。彼の目線で、彼の感覚で、彼の思考で、物語は進行していきます。

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 おもしろいのは、いま進行中のコミック「ピアノの森」も同じショパン国際コンクールを描いていて、主人公の一人がポーランド人の男の子で、父にピアノを教わり、父に反発しながらコンクールに参加しているのです。

 しかも彼が日本人主人公のカイといつも逢うのが、ワルシャワで有名なワジェンキ講演ですが、こちらでもヤンがワジェンキの森で出合うのが顔なじみの小さな少女マリーと話していた日本人岬洋介です。

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 「ピアノの森」と「いつまでもショパン」が同質の物語だといえるのは、どちらも主人公の演奏が、たんなる自分のため、家族のため、から解放されて、みんなのため、あるいは音楽自体のためと「変化」「化身」していくことです。

 つまり、彼らが「ほんとうの」ピアニストになっていく物語です。

 1月26日から「さよなら、ドビュッシー」の映画が公開されています。この「いつまでもショパン」もそれに合わせて発売されたのだと思いますが、ぜひ映画化してほしいですね。

 榊場隆平さんの配役は辻井さん本人で。

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 ポーランド警察が追う爆弾テロリストの「通称」は「ピアニスト」!

 解読の鍵は、物語の前半ですでに提示されていますが、物語の最後での、われらの「ピアニスト=探偵 岬洋介」さんと、「ピアニスト=テロリスト」との対決が見ものです!

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 そして「音楽に何ができるか」、全世界に配信されている最終本選で、岬洋介さんは…。

 ワルシャワから発信された「ノクターン」が、アフガンの戦場に流されて…。


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