馬糞風リターンズ

世ノ中ハ何ノヘチマトオモヘドモタダブラリト下ツテモオラレズ

「タイラバヤシかヒラリンか・・・・」落語のネタ本「醒睡笑」

2010年06月24日 | 大衆演芸
 ビデオテープや音楽・落語のカセットテープの保管に困っています。古い写真はボチボチPCに取り込んでいますがビデオテープやカセットテープも何とかしなければ抽斗を7段も占拠しており嵩高くて片付きません。IT技術の進歩が速いので旧世代の素材の処理がこれからも大変だと思います。今、PCに取り込んでDVDに転写しても、次世代のブルーレィーや3Dが普及しだすとまた同じ事で悩まされる事になるのでしょう。

 「落語」のテープを整理してリストと合わせて見ると何本かのテープが無くなっていました。ケースは有るのですがテープ本体が無くなっています。その内の何本かはケースの入れ間違いや他のジャンル(浪曲・講談)に紛れ込んでいたりしていました。
しかし、何処を探しても出て来ないテープも何本かあります。
その内で「先代桂文我」の「平林」が無くなっています。「平林」はあまり高座に掛けられる事のない「噺」なのでチョット惜しい事をしました。

 落語「平林」
字の読めない丁稚が主人から「平林(ひらばやし)」さんに手紙を届けるように言われたます。
途中でどこへ届けるのかわからなくなり、道行く人に宛名を読んでもらうというお噺。
 始めの人は「たいらばやし」と教え、二番目の人は「ひらりん」と教え、三番目は字を分解して「一・八・十のもくもく」、四番目は「ひとつとやっつでとっきっき」と教えられます。最後に丁稚は「たいらばやしかひらりんか、いちはちじゅうのもうくもく、ひとつとやっつでとっきっき」と大声で言って捜し歩くと云うものです。
 東京の林家三平などは、「ぺえりん」って読むんだよ。この手紙は中国へ届けるんですか。とアレンジして演出していました。

 現在の「オチ」は、「たいらばやしかひらりんか・・・」と叫びながら歩く丁稚の様子を見た人が「気が違ったか?」「いえ、字間違いでございます」デンデン。
所が、古いテープでの「オチ」は「気違いか?」「字違いです」となっています。「キチガイ」が「差別語」で現在は使えないのだそうです。「気違い」「字違い」だからこそ「オチ」になると思うのですが・・。
 初代や2代目桂春団次などの「らくだ」では「モロ」に「差別」を表現しています。



 落語「平林」は「醒睡笑」という「江戸時代初期」の本に収められた「落し噺」です。
「醒睡笑」にはこのほかにも「子ほめ」「牛ほめ」「唐茄子屋政談」「たらちね」「無筆の犬」「寄合酒」「ん回し」・・など現在も演じ続けられている「落語」の多くの「ネタ」が収められています。
作者は、京の僧侶「安楽庵策伝」八巻1,039話の話を収録されています。落語以外にも「小辺路・大辺路」の名前の歴史や瀬田の唐橋に関する格言「急がば回れ」の由来の貴重な資料としても珍重されている「本」だそうです。

 最後に、安楽庵 策伝の本名は「平林 平太夫」と云うそうです。

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